× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
![]() |
浮き出た鎖骨、細い肩。決して大きくはない小振りな胸は清良の華奢な身体には丁度いいサイズで、美しいフォルムを形作っていた。
背を支えてベッドに横たえながら、龍太郎は清良のベージュのカプリパンツのジッパーを下ろした。そのまま脱がせてしまおうと思っていたが、清良のそっと開けられた切れ長の目に捕らわれ、思わず龍太郎は清良にのしかかった。 「清良……」 再び重ねられる唇。 唇は、顎を伝って首筋へ。そのまま音を立てながら鎖骨をなぞる。 「…ん……ん、……」 龍太郎はホックを外し、幾分急いてブラジャーを取り去るとそのふくらみに唇を落とし、大きな掌で味わうように揉みしだく。 清良の乳房は夢のように柔らかく、まろやかで。龍太郎の硬い掌は、優しい愛撫で彼女のふくらみを自在に揺り動かす。 その頂は紅く、開花を待つ桜の蕾のように、淡く、はちきれそうに尖っていた。 龍太郎は、つと、その蕾を長い指でなぞる。 「…ゃ、ひゃぁ……」 頭から抜けるような清良の嬌声に笑みを零すと、唇で挟み、舌で舐め取り、快感に震える清良のその蕾を思うがままに蹂躙した。 この夜を境に暫く彼女を抱くことができないと思うと、龍太郎は一層燃えたぎる欲望と共に、羽交い絞めにして閉じ込めておきたい衝動にかられた。 …羽交い絞め?……そうだ。 ■■5 「ちょっと待ってろ」 龍太郎はそう声を掛けるとベッドを離れ、自身もTシャツを脱ぎ捨てて上半身裸になると、テーブルの脇に落ちているリボンを手に戻ってきた。 先ほど二人で食べたケーキの箱に結ばれていたものだ。 ぼんやりと目を開けた清良は、龍太郎の手にしているそのリボンを見て、不審気に眉をひそめた。 「な…なによそれ……」 龍太郎は無言のまま薄く微笑むと、清良の両手をその頭上に押さえつけ、いそいそとそのリボンで戒める。 「ちょ…ちょっと!何するのよ!」 龍太郎の思惑に気付いた清良が焦って声を上げるが、龍太郎は意に介さない。 白く細い両の手首に巻きつけられた、ブラジャーと同じ、深紅のリボン。清良の手はその可憐な拘束具に瞬く間に捕らえられてしまった。 「ちょっと、龍ってば!」 「逃がさない」 清良の抗議の声に、龍太郎は落ち着いた声で答えた。 「…て……、手首ひねっちゃったらどうするのよ…!」 PR |
![]() |
■■1
「…楽しかったな、千秋くんのオケ。また一緒にできるかしら……」 清良はワイングラスを傾けると、テーブルについた腕を突っかえ棒にしてうっとりと目を瞑った。 栗色の髪がさらさらと流れ、彼女の頬に美しい陰影を生む。 「そりゃできるだろ。戻るたびにコンサート組むからさ、客演でもいいから乗れよ」 龍太郎は微笑むと、そっとその髪の一房をかきあげてやり、指の隙間からこぼれさせた。 「向こう行ってもがんばれよな」 「言われなくたって」 龍太郎の言葉に、清良は得意気に微笑んだ。 「がんばるつもりよ。もっと練習して、勉強してくる。じゃないとみんなにダメ出しくらっちゃうもんね。特に高橋くんには……」 だんだんと険しい顔つきになる清良は、そこまで言うと視線をテーブルに落とす。 「…ヴッフォン国際で3位ですってぇ…?!押コン2位なんてなんの武器にもなりゃしない…!!見てなさい高橋、私…」 「…もっと上手くなってあんたの鼻っ柱を折ってやる、だろ?」 龍太郎は、グラスを手にしたままワナワナと震える清良の手をそっと握った。 「わかってるって。おまえ、飲みすぎ」 そんな龍太郎をきっと睨みつけると、まるで吐き出すかのように語気を荒げた。 「だって、だって悔しいんだもん!」 ■■2 ぷいと顔を背けて頬を膨らませるその横顔は、アルコールで上気して桜色に染まっている。清良の整った顔立ちが子供っぽい表情を見せるその様は、普段の凛とした印象とはかけ離れ、可愛らしいものだった。 清良のその言葉が龍太郎に向けた雑言ではなく、自身を鼓舞するかのような自戒を込めたものだということは、龍太郎にはわかっていた。 清良は、普段「悔しい」なんて軽々しく口にしない。しかしひとたびアルコールがまわると、必ずこの話題を口にするのだ。聴きなれた言葉ながら、龍太郎は横槍を挟まずに聞いてやる。 「押コンのことは、後悔はしてるけど、もう立ち直ってる。コンクールの結果とか高橋とか、そんなことじゃない。私…私は……」 龍太郎はその頬にそっと掌を宛てると、自分の方に向かせた。 「そうよ…悔しいのよ……私これでも、いつも精一杯やってきたわ。毎日、朝から晩まで練習して、色んなこと勉強して。なのに、まだできないこといっぱいある」 顔を上げ、にやり、と微笑む清良。 |
![]() |
「それで、いきなり…わけわからないデスよ、
いきなり、キ、キスなんて…なんか色々、順番ってものがあるデショ……」 千秋は柄にもなく頬を染め、慌てる。 「あ、あれはッ、つい、」 「つい、なんデスか~?」 唇をとがらせるのだめ。 「いや、思わず、いや……」 しどろもどろになる千秋。 ■■18 「先輩?」 千秋は頭を掻いて、言葉に詰まった。 「もしかして、会えない時間が恋☆を育んだんデスか?」 「…………。」 …オレ様が焦るだなんて。…こいつのせいで調子が狂いっぱなしだ……。 「………………悪いか」 「へ?」 急に素直になって、まるでのだめのように唇をとがらせる千秋。 「どういうことデ…ぎゃぼ!」 千秋は誤魔化すようにのだめの胸を一揉みすると、 「ん!」 唇に口付けた。 軽く、小鳥のように。 「いいから、まずは風呂だ!風呂入るぞ!お前は自分ちの風呂入ってこい!」 「今夜は帰さないって言ったのに先輩の嘘つき~!! 夫婦なのに別々なんデスか~!?」 「まだ夫婦じゃねぇ!いいか、40秒で戻って来い!」 「む、無理ですそんなの~!それに今のだめの家、ガス止まってて…」 「またかーー!!」 甘いムードなど、いつもすぐに流れてしまう。 …でも、まあこういうのも悪くないか。 千秋は思った。 明日は久々のオフ。 今夜はまだ、 …………長い。 <終> |
![]() |
しかし千秋は、言わずにはいられなかったのである。
「オレ、お前が好きだ。だからお前の身体触りたい」 千秋の、真摯な視線。 のだめは一瞬その瞳に捕らえられた後… 恥ずかしそうに、しかしとても嬉しそうに頬を染めた。 「いやか……?」 いつになく不安気に表情を曇らせる千秋に、 のだめは持てる限りの力を使ってなんとか首を横に振った。 「…いやじゃ、ないデス。先輩。」 そう言っておずおずと微笑むのだめに、千秋はほーっと息をついて、その身体を抱きしめた。 「よかった……」 「あ、でも先輩……」 「なんだ?」 千秋はお互いの顔が見える程度に身体を少し離すと、のだめを覗き込んだ。 「キス、して欲しいデス。その、ちゃんと……唇、に………。」 ■■14 どんどん語尾が小さくなり、ついでに身体も縮こまってゆくのだめ。 そのいじらしさに胸を突かれて、千秋は再び、のだめを抱きしめた。 そして、のだめの頬を優しく撫でながら上向かせた。 「なんだかのだめ…おかしいんデス…寒くないのに身体が……」 ガチガチと歯の根の合わない音をさせているのを聞いて、こんな状態でこの身体を求めてもいいのだろうかと心配する千秋だったが。 「大丈夫だよ」 千秋は、のだめの唇に自らのそれを重ねた。 「…んっ…………」 優しいキスだった。 あたたかい。 柔らかく、甘やかな感触。 シャンプーの香り。 ふと、千秋は唇を離した。 互いの瞳の中に自分の姿を見る、静まりかえった、永遠とも思われるような時間。 「…ぁ……」 のだめは何か言おうと口を開きかけたが、 千秋はさえぎるようにもう一度唇を落とした。 一瞬だけ唇が触れ、また離れる。 今度はのだめは口を開かない。ただじっと、千秋を熱く見つめた。 千秋は薄く微笑むと、再び唇を重ねた。 ■■15 「…ん、ぅ、…ぁー……」 触れるだけのキスではもう我慢ができない。 千秋は深く口付け、舌をのだめの口内に差し入れると、思うがままに蹂躙した。 驚いて引こうとするのだめの後頭部に手を宛て、決して逃げることを許さない。 どうしていいかわからず抵抗すらできないのだめの舌に自らの舌を絡ませて、舐め上げ、絡める。 何度も何度も。 「んっ~…んっ!」 初めての感触に戸惑いつつも混乱するのだめにはおかまいなく、千秋はのだめを貪った。 |
![]() |
いつまで経っても一向に慣れないのだめの幸せそうな恥ずかしそうな様子に、千秋の表情も緩む。
「これから気をつければ大丈夫だろ。まだ綺麗だし」 二人が知る由もないが、ルビーは、情熱の石であり、愛情を司る石。 褪せることなく、キラキラと輝いている。 「…なんたってオレの最初のプレゼントだからな。せいぜい大事にしろ」 「は~い。 ……『最初の』ってことは、また買ってくれるってことデスか? そ、それってもしや、プ、プ、プロポー…」 「知るか」 つれない返答の千秋だが、のだめは満足そうに、にっこりと笑う。 上気した頬。 熟れた苺色の唇は少し開いたまま、この上なく幸せそうに細めた目で千秋を見上げた。 …あの変態としか思えなかったのだめが、こんな表情をするなんて。 ■■11 千秋の目には、そののだめの仕種一つ一つが可憐にさえ見えて。 自分に対しての信頼感、ゆえの無防備。こんなにも全てをさらけ出している。 そうして初めて、今までのだめが自分に抱いていただろう想いを理解したのだった。 いや、むしろ、いつの間にか千秋の方こそがこんなにものだめを想っていたのだった。 「いいからもう黙れ…」 千秋はのだめの反応を注意深く伺いながら、再びその首筋へ唇を落とした。 「ひゃ、…ぁんっ……」 優しく触れ、押し付けて一舐めし、ちろちろと舌を遊ばせてから、吸い上げる その度にのだめの白い喉がのけぞる。 細い肩が揺れ、苺色の唇からは、頼りなげな吐息が漏れる。 そして顔は甘やかにのけぞり、まるで好きなようにしてくださいと乞うかのように千秋に差し出される。 のだめの顔は苦しそうに歪められ、 しかし、その手はしっかりと千秋の腕を握り締めており、拒絶の言葉も出てこない。 可愛いと、思った。 愛しい、と。 千秋は、そんなのだめに煽られるように、のだめの胸に手を伸ばした。 薄手のニットの上からでもはっきりとわかるほどのボリューム。 そのカーブに力を抜いた掌を沿わせ、優しく撫でる千秋。 「ん~~~~~~…」 のだめの身体は途端に強張り、その感触に耐えるかのようにじりじりと身じろぎしている。 その表情は苦しそうにも見えたが、声を出すまいと、唇はきつく閉じられている。 千秋は誘惑に負け、そののだめの胸を包み込むように、揉んだ。 ■■12 「ひゃっ!!」 のだめはびくりとすると、自らの胸を両手で包み隠した。 |
![]() |
数十秒間。
千秋は辛抱強く待った。 やっと、のだめの目が開かれる。 その瞳にはうっすらと涙がたまっていた。 拒絶の涙ではないことは、そののだめの表情から千秋にもわかっていた。 言葉もなく見詰め合う二人。 ごく小さい音で流れ続ける Je te veux。 優しく、柔らかく、戯れるように。 まるでのだめと千秋のように。 包み込むようなあたたかい眼差しの千秋に、怯えて泣きそうなのだめ。 千秋は胸の内で自嘲的な笑いを漏らした。 …なにを、焦っているんだオレは。こいつにこんな表情までさせて。 「何泣いてんだよ……」 「泣いてマセン……」 のだめは手の甲でぐいっと頬を拭って言った。 千秋の目に真正面から向き合って。 「先輩が好きなだけデス」 もう止まらなかった。 その言葉に、千秋はもう止めることができなかった。 ■■6 はじかれたようにのだめを抱きしめる千秋。 身を乗り出し、その華奢な肩に腕を廻し、小さな頭を抱え込む。 さらさらと流れる猫っ毛からは、千秋と同じシャンプーの香りがした。 きつく。 きつく抱きしめる。 のだめは長い間息をすることも忘れて…… やっと一つ、苦しそうに息をついた。 早鐘のような胸の鼓動は、もはやどちらのものかわからない。 「せんぱ……」 息も絶え絶えに、のだめの声が紡がれる。 千秋は、のだめの額に唇を落とした。 「…ッ……」 僅かに目を細めるのだめ。 その感覚は、パリへ飛ぶ機内で見た、雲を柔らかく遊ばせる朝の陽にも似ていて。 続いて、眉間に、鼻先に。頬に、…瞼に。 「ん……」 その柔らかく温かい感触に、のだめは身をよじる。 濃く長い睫が細かく震える。 赤ん坊のように白く透き通った肌はふっくらと柔らかで、逆に千秋の唇に何度も心地良い感触を残す。 千秋は一つ息をついた。 ……眩暈がしそうだ。 ■■7 すると千秋を追うように、おずおずとのだめが目を開けた。 とろん と霞のかかった瞳。 再び、のだめの頬に唇を落とす千秋。 「……ん。」 のだめは唇を受けた側の目をぎゅっと閉じた。 「…先輩、……」 泣きそうな声で必死に訴えるのだめ。 それでも構わず、なおものだめにキスの雨を降らせる千秋。 千秋は、自分の息が、荒く、熱くなっていることに気が付いた。 ただ夢中で、のだめの肌を食んでゆく。 |
![]() |
■■1
CDから流れる心地良い音楽。 のだめと千秋は久々に夕食後の時間を一緒に過ごしていた。 千秋は笑ってのだめの額を軽く小突く。 「で?これ何十個あるんだ?わけのわからないオタクサイトで買い物なんかするからだ。 お前本当にアホだな~…」 のだめ達が座るカーペットには、プリごろ太のフィギュア数十個が散乱している。 しかも、無着色の劣化版ばかり。 どうやらフランス語を誤読したのだめが、 破格の値段で購入できたと喜び勇んで開封したダンボールの中身がこれだったらしい。 「むきゃ!アホじゃないですよ~?」 言い返したのだめだったが。 「…先輩、なんか変デスよ」 のだめは唇をとがらせて不審気に呟いた。 「なにが?」 「絶対変デス!…さっきからずっとにこにこして」 「いつも仏頂面みたいな言い方するな」 「ワインそんなに飲んだワケでもないのに……」 確かにいつもが優しくないわけではないが。(むしろ非常に甘やかしているのだが) そのいつになく優しい雰囲気の千秋に、 のだめはくすぐったいような甘やかな気持ちになってしまうのだった。 ■■2 千秋の唇は薄く開かれ、やわらかく微笑みの形を取られている。 そう、夕方合流した時から、ずっと。 「ぼへぇー…やっぱり変……。せ、先輩が優しい……」 「…失礼な……。オレ様はいつも優しいだろーが」 むうう…とのだめが頬を膨らませても、千秋は軽くあしらうばかり。 それは昨日今日に始まったことではなかったが。 「のだめ……」 その声は、低く、柔らかく、歌うように甘く、慈しみに満ちていて。 千秋は優しく目を細めて微笑んだ。 唐突に向けられたそのあまりにも愛情溢れる千秋の様子にあてられ、 のだめは頬を染めて反射的に後ずさった。 ドンッ! 「ぎゃぼ!」 勢いよく壁に背中を打ち付けたのだめは唸る。 「バカ、なにやってんだ…おい、大丈夫か」 のだめが涙目で顔を上げると、間近に迫った千秋の顔。 「だだだいじょぶデスヨ!ご心配なくデス!」 のだめは身体の前で大きく手を振ったが… バシィッ その手があまりに大振りだったので、覗き込んだ千秋の顎にヒットしてしまった… ■■3 「う……」 「ご、ごめんなさいデス…だいじょぶですか?」 今度は千秋が眉間に皺を寄せて唸る。 「…ご、ご心配なく…デスか…?」 さすがにのだめはマズイことをしたと焦ってひきつるが。 |
![]() |
ほっと胸をなで下ろして、カシミヤのロングコートを脱ぎ、クローゼットへかけた。
「えーーっ……り、……なのぉー?」 んっ? 「……ばっかり、……するんですー」 誰かいる? 続き部屋へのドアの向こうで、誰かがしゃべっている。 耳をそばだてると、声がはっきり聞こえてきた。 「一緒に眠るときも、ずーっと胸触ってるんデスよ」 「あはは、ムッシュー千秋はオッパイ星人なのねー」 ……なんの話をしてるんだ、のだめ…………。 千秋は勢いよくドアを開けた。 「そこで何してる……?」 「あれっ、センパイ?……帰りは明日じゃなかったデスか?」 「お、お帰り、千秋……」 怒りのオーラにつつまれる千秋を見て、ターニャはびっくりした顔をしている。 まずい、と思ったのか、そそくさと帰り支度をはじめた。 「ウォッカのお裾分けに来たのよ。もう、少なくなっちゃったけど……の、飲んでね?」 「……それはどうもありがとう」 「じゃ、のだめ、私帰るね。……邪魔しちゃ悪いしー……さよならーー」 逃げ足早く、ターニャは去っていった。 のだめは酔っぱらっているのか、立ち上がったがふらふらしている。 「お帰りなさい、千秋先輩……」 抱きつこうとするのだめを制止する。 子供にするように、腕を伸ばしておでこにあて、それ以上近づけないように。 「はうぅ……せんぱぁい」 「おまえ、ある事ない事周りに言ってないだろうな?」 「なんの事デスかー」 「お、俺が……その……オッパイ星人だとか……!」 「聞いてたんですかー?さっきの話……。でも、先輩がオッパイ星人なのはほんとの事デスよ?」 「ほんとでも何でも、言っていい事と悪い事があるだろーーー!!」 「ぎゃぼーーー!!」 千秋は、ローテーブルの上のさきいかを、勢い良くのだめにたたきつけた。 「それに!!お前の部屋!!こんな短期間に、何であんなに散らかせるんだ!」 「はうーー」 のだめはさきいかまみれで、唇を尖らせた。 「一週間ぶりにあったのに、ひどいデス……せめて、ハグ……ハグだけでも……」 「やだ」 拒まれたあげく、部屋の外に放り出された。 「とにかく、部屋の掃除をしろ。以上」 ドアを閉めようとしたが、のだめはなおも食らいつく。 「キス……キスだけ……」 千秋はのだめのおでこをぱしっ、と音良く叩いた。 「お前が部屋を綺麗にするまでお預け。して欲しくば掃除しろー。じゃあな!」 |
![]() |
無駄な肉のない背中のくぼみに舌を押し付け、ちろちろとくすぐってやる。
この間見つけた、のだめの性感帯だ。 ここを愛撫してやると、どうにも力が入らなくなってしまうらしい。 「はぅぅ……あぅん…」 途端、後ろに倒れてくる。千秋に体重を預けて、のだめは吐息混じりに肩で息をしていた。 髪がサラサラとこぼれて、シャンプーが香る。 のだめを強く抱きしめながら、千秋もまた後ろに倒れていった。 「ぎゃ、ぎゃぼ…!」 二人はぴったりと重なった状態で、天井を仰ぐ形になった。 「セ、先輩、いやデス、こんなカッコ…」 のだめは抗おうとしたが、うまく力が入らない。 千秋は手を伸ばし、自分たちがつながっている部分に指を這わせた。 「イやぁ……」 千秋自身をくわえ込み、めくれた秘肉をゆっくりとなぞる。 その濡れた指先で突起をやさしく挟むと、さするように転がした。 「……っ!!」 声にならない程鋭い快感に、のだめは背中をそらせた。 同時に、軽くいってしまった様子で、千秋をきゅうきゅうと締め付けてくる。 緩やかに迫る射精感を抑えていると、甘やかだったのだめの吐息が泣き出しそうになっていた。 「どうした?……のだめ……?」 「……怖いんデス……自分が、どこかに飛んで行っちゃいそうで、怖いんデス……」 馬鹿なヤツ。 ……でも、そんなのだめが殊更に愛しく思えた。 両腕で大事に包み込むように、のだめを抱きしめる。 「俺が捕まえててやるから…大丈夫」 「せんぱ…ぁふ…」 耳朶に口を寄せて、愛撫する。耳介を舐め、吐息を吹きかける。 首筋にも一つ、髪に隠れるところにも赤い花びらのような証を残した。 自分だけの物だという証。 身体を前後に揺り動かし抽送をし始めると、のだめの声も艶を持った響きに変わってきた。 のだめの内壁が千秋自身ででこすりあげられるたび、のだめの蜜は溢れみだらな音が静寂に響く。 熱い胸に抱かれて、のだめはもう自分の高ぶりを押さえ切れそうもなかった。 背中に感じる千秋の鼓動と自分との鼓動が重なったとき、胸がいっぱいになって嬉しさに泣きたくなった。 こんなにも、好きで好きで……たまらない。 腕にしがみついて切なそうに自分の名前を口にしているのだめに、千秋の頭はじんじんと痺れた。 「のだめ……のだめ……」 千秋もまた、その甘い熱に浮かされるように、何度も耳元で名前を呼んだ。 |
![]() |
泣き出しそうなのだめの頬にキスをして、後ろを向くように促した。
「立って」 何をしようとしているのか不思議に思いながら、のだめは千秋の言うとおりにした。 不思議に思いながら、反面期待もしてしまい、再び身体が熱くなっていく。 「ふぎゃ……」 ふいにスカートの中に手が伸びてきて、内股をなで上げていった。 肌の感触を楽しむかのように、じっくりと手のひらが這い回る。 ショーツの端に指がかかるのに、肝心な部分はかすめて触れてはくれない。 のだめはもどかしさに息が上がり、触れて欲しい思いに甘い声が漏れた。 千秋はスカートをたくし上げ、のだめに持っていろ、と促した。 小振りな丸いヒップがあらわになる。千秋は内股に吸い付き、自分の所有である証を刻んだ。 紐になっている部分を指に引っかけ、ゆっくりとショーツをおろしていく。 下ろされていくショーツと、のだめの秘部との間に細く糸がひかれた。 ショーツを取り去ってしまうと、千秋はのだめのヒップを引き寄せた。 割れ目に手を添えて左右に大きく開き、滴るほどに濡れそぼったのだめの秘部に口づける。 「あっ……あうぅぅん」 千秋の堅く尖った舌先が花びらを掻き分け、ゆっくりと侵入してきた。 「センパィ……あっ、イヤン……」 触れられて、もっとして欲しくて、自然に腰を突き出すような格好になってしまう。 熱を持った身体はじっとりと汗ばみ、込み上げてくる官能にたくし上げたスカートをぎゅっと握りしめた。 差し込まれた舌が、のだめの甘い蜜を掻き出そうと動く。 時折、啜るような音が聞こえて、のだめは恥ずかしさに耳まで紅くなった。 ……いや、それだけじゃなかった。 欲しい。……して、欲しい。そう思った自分が恥ずかしかった。 膝ががくがくとふるえてきた。 「ふっ……あぅん……」 「のだめ、……どうして欲しい?」 開放しきれず身体の中で波打つ快感にほだされて、のだめは口走ってしまう。 「入れて……!入れてくだサイ…」 言った後でその内容を自分で理解して、あまりの羞恥に首を横にふるふると振った。 『欲しい』という感覚を覚えてしまった、のだめ。 飲み込まれた指を、もっと奥へと吸い込むようにを締め付ける。 受身でされるままだったのだめが、自らを欲しいと求めるその態度に千秋はいたく興奮した。 千秋はソファから少しずり下がり、のだめの足を開かせて自分を後ろ向きに跨ぐ格好をとらせる。 「そのまま、腰をおろして…」 |
![]() |