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【2025/07/18 18:43 】 |
Kiss it better:1
■■1
 千秋は呆れたように溜息をついた。
「なんでお前がここんとこ毎日うちの風呂に入りに来たかわかったよ…」
 のだめは、あはは、と笑う。
「そんな簡単に止められるかよ……。
 明日管理人さんに言えよ。壊れてんだろ、ガス」
 のだめは素直に頷くと、気の抜けたような笑顔を返すが。よく見ると、どこかぎこちない。
まるでなんとか笑い顔を作ろうと装っているかのような。
 …さっきまでの威勢はどこいったんだ……。
 しかし千秋は、とりあえずのだめが笑顔で答えてくれることに内心救われてもいた。
 もし今、この雰囲気が壊れたら。千秋はぶり返す欲望を今この場でぶつけてしまうだろうから。
 何せつい今し方、茶化し合いで流れたとはいえ『これからヤるぞ』と言ってしまったようなものなのだ。

「じゃあ着替え取ってこいよ。風呂沸かしておくから」
 千秋はなんとか平静を装いつつ、立ち上がりながらのだめに言った。
「うー…そうしマス……」
 のだめは、未だほんのりと赤みを帯びている頬に手を宛てながら、千秋を見上げた。
 そんなのだめを見て、思わず千秋も頬を染めかけるが、そんな想いを無理矢理押し込める。
「遅かったら閉め出すからな」
 するとのだめは、少し緊張が解けたようにいつもの笑顔を見せた。
「んもー!ラピュタじゃないんデスから40秒なんて無理デスよ~?」
「はいはい」
 手を引いてのだめを立たせてやりながら、千秋も笑う。
 その瞬間、二人の視線が交錯した。
のだめは、しっかりと見つめ。
千秋は、思わず目を逸らした。…しかし、つい口にしてしまった。
「……あの下着、持ってくるのか?」

■■2
 その言葉が、二人の空気を唐突に現実に引き戻す。
 千秋の手を握るのだめの手に、僅かに力が込められる。
 …言ってしまった。
 千秋はその声に、そうと意識しないままどこか容赦のない含みを持たせてしまったのに気づいた。
 言うべきではなかったのかもしれない。
けれど、言わずにはいられなかったのだ。
 のだめの身体は強張るが……静かに首を横に振った。
「…………。」
 それは、単に恥らってのことか、それとも拒絶の意味なのか。
 俯いたのだめの表情からはそれが読み取れず、千秋は己に対して苦々しささえ感じていた。
 ……本当に、何を焦ってるんだ。オレは、そんなに、のだめが欲しいのか……。
 それは、愛しい者を想う男のサガ。
自分が妙に小さく思えて、千秋は自らの発言を悔いた。
「いいから、ほら、行けよ」
 諦めの入った声色になってしまうのは不可抗力。
 千秋はのだめの肩を軽く抱くようにしてドアまで連れて行ってやった。
……のだめがこのドアから出たら最後、今晩は千秋の元に戻らないことも覚悟して。
 ドアノブに手を掛けるのだめ。しかし、一呼吸置いて振り返った。
「チガウんです、先輩」
 のだめは顔を上げた。その瞳は、心なしかまた潤んでいて。
「着てるんです」
「は?」
 千秋は、のだめに見入る。
 のだめは、小さく繰り返した。
「…着てるんです、今。あの勝負下着……」

■■3
 のだめはそれだけ言うと、また目を逸らしてしまった。
頬が、赤い。唇は、とがっている。
「な……なんで?」
 千秋の頭の中では今、マングースが縦横無尽に駆け回っていた。
 想像はつく。けれど、訊かずにはいられなかった。
 のだめは言いよどむように視線をさ迷わせたが、唇を引き結び、千秋を見上げる。
「いつものだめが茶化して逃げちゃってたから…!悪いなって思ってたんデス…。だから、今日こそはって思って、のだめ……」
 のだめは最後まで言うことができなかった。
 千秋に唇をふさがれたから。
 荒々しさを抑えることができない千秋。
のだめの首筋を押さえ、深く、長く、キスを繰り返す。
ノブにかけたのだめの手を、掌で包み込みながら。
「ふわぁっ……!」
 のだめはその激しさに顔をしかめ、無意識の内に逃げようとのけぞってしまう。
しかし。
 ドンッ
後ろはドア。のだめはドアに押し付けられる格好になってしまった

 千秋の左手は、のだめの二の腕に。
右手は、相変わらず首筋に。
 のだめの唇をむさぼりながら、まるで逃げ場がないことを知らしめるかのように、追い詰めるように、
千秋はのだめのその華奢な身体をドアに押し付けた。

■■4
 口内に受ける感触と身体を抑えつける千秋の力で、頭がいっぱいになるのだめ。
手足は痺れ、快感を逃がすこともできないまま、徹底的に口内を犯されていた。
千秋の温かく柔らかい、それでいて激しく口内を舐め取られる感触に
のだめは、ドアノブを強く握り締めることでかろうじて耐える。

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【2011/06/25 11:28 】 | 千秋×のだめ | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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