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【2025/07/19 00:02 】 |
Kiss it better:9
もう、上手く考えることができない。
身体の内部から中心をえぐられるような感覚。
熱くて、違和感があって。胸の内が、頭の中が、沸騰したようにおかしくなる。
 痛みはあるのに、誰にも見せたことのない部分を大股開きで千秋の前にさらし、
その上千秋がその部分を自分に宛てがっているということが、異様なほど昂ぶらせていて。
「…の、のだめ……」
 千秋はその状態のまま身体を倒し、慎重にのだめにのしかかった。

■■30
「…っぁ、ん!」
 二人がつながっている部分が僅かに動き、のだめは闇雲に声が出てしまう。
 千秋はのだめに覆い被さると、細い首に腕をまわし、片手でその小さな頭を抱え込んだ。
のだめの髪は汗でしっとりと湿っているのに、相変わらず心地良いシャンプーの香がする。
 千秋は再びのだめに入りかけている自身に手を宛てると、またゆっくりと、少しだけ差し込もうとした。
「っつ……!」
 途端に、悲鳴のようなのだめの声。
のだめの身体中が強張り、その腿が千秋の腰を締め付ける。
「い、痛いか…?」
 小さく、しかし小刻みに激しく首を横に振るのだめ。
 千秋は、息を荒げながらも腰を止め、のだめの顔を見下ろした。

 のだめは相変わらず強く目を瞑ったままなのに、先ほどとは全く異なった表情で顔を歪めている。
奥歯を噛み締めているのは、唇が白くなるくらい引き結ばれていることからも容易に想像がつく。
 潤いは充分すぎるほどなのに、まだ、亀頭すらも入りきっていない。

 千秋は快感と罪悪感の両方に苛まれ、のだめの額に唇を落とした。
「悪い……、ゆっくり、する、から、……」
 これ以上ないくらいの締め付けと、のだめと一つになれた昂揚感で、千秋は上手く言葉を選べない。
 その状態で二人、息を荒げて止まっていた。
 暫くすると、のだめがゆっくりと口を開いた。
「だ…イジョブ、みたいデス、よ……少しラクに……」
 のだめはハァハァと肩で息をつきながら、か細く変に上ずった声で、囁いた。
 千秋はそっとのだめの頭を撫でながら言う。
「…本当か……?」
 頷くのだめ。

背中にまわされたのだめの指先には力が込められ、痛いくらいだが。
 …のだめの痛みは、こんなもんじゃない筈だ……。

■■31
「…痛かったら、同じだけ、オレの背中に爪立てろ。いいな?」

 のだめはゆっくりと目を開けた。
その目には、溢れるほどの涙が浮かんでいる。
 のだめが首を振ると、その一滴が滑らかな曲線を描く頬に伝った。
「ヤ…です……先輩が痛いの、ヤ……」
「…………。」
 千秋は胸を突かれて言葉に詰まった。
久しく忘れていた感情が込み上げてくるのを感じる。
口を開けば、嗚咽が漏れてしまいそうなほどに。
それほど、いじらしいのだめが……愛しかった。
「…………バカ、我慢するんじゃねぇって……」
 言いながら、こんなにものだめを痛めつけてまでセックスをすることに、疑問すら感じてくる。
「…無理に、しなきゃいけないものじゃ…ないんだぞ……」
 千秋はのだめの肩に顔を埋めた。
 じわりとにじんだ温かいものが、自分のほほからのだめの肩を伝っていくのがわかる。
 ……オレ、泣いてるのか……?
「……先輩」
 それは、いやにはっきりとした声だった。
「先輩、がんばってくだサイ。のだめ…がんばってるんデスから、先輩もがんばらなきゃだめデスよ?」

■■32
 今しがたの痛みを耐え抜く声とは明らかに違い、凛とした響きさえも持っていた。
 のだめは、千秋の背中にまわしていた手を引き寄せ、千秋の頭をそっと撫でてやった。
「のだめは、先輩ともっと一つになりたいんデス……」
 …またこの感じだ。
 千秋は思った。
自分がのだめを抱いている筈なのに、逆にのだめに抱かれているような感覚。
のだめは、自分が思っているほど弱くないんだ、そう思った。
 …でも、だからこそ、守らなければ。大事にしてやらなければ……。
「…いいんだな」
 千秋は自分にも言い聞かせるようにゆっくりと言う。
「先輩がいいんです」
「男のオレにはわからないけど、多分これからもっと痛いぞ…?」

 それは賭けだった。
 わざと怖がらせたいわけではない。苦痛を与えたいわけではない。
でも、今こんなに痛がっている以上、それは事実なのだ。
もしのだめが少しでも躊躇するようなら、何も急ぐ必要なんかどこにもないのだ。
 …自分さえ我慢して、待ってやればいいことだ……。
 しかしのだめは、はっきりと頷いた。頷いて、千秋の瞳を見つめた。
 お互いに、涙をためた瞳。蛍光灯の光に反射して、キラキラ光った。
 千秋もまた頷き返すと、のだめに口付ける。
この上なく優しく。
 そして、また少し腰を押し進めた。

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【2011/06/26 01:33 】 | 千秋×のだめ | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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