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【2025/07/18 21:26 】 |
約束:16
「あのね。痛かったけれど、少し解ったの。登りつめて弾ける感じがするのね…とても良かったわ。うふふ。素晴らしい研究の成果ね。」
「素晴らしいのは君の感度さ。私は情けなくも自分の欲望のままに動いてしまっただけ。君を気遣う余裕も全くなかった。」
夕霧はお詫びをするように私の額に口づけを落とし、髪をなでてくれた。
私は、気にしないで、という気持ちをこめて、首を横に振る。

「…あなたの物に慣れて、痛くなくなる日が来たら、もっと良くなるの?」
「次の約束は、それにしようか。君を、天まで昇らせてあげること。いろいろな手段があるそうだから、一つずつ試して、一番いいのを見つけてあげる。」
「私だけじゃいやよ。一緒に昇っていきましょう。…あの、私のような淫乱な女でも、夕霧は嫌いにならない?」
行為の最中の自分の乱れぶりを思い出し、今更ながら私は心配になった。
本当は、夕霧は、はしたない姫だとあきれているのではないかしら。
「何を言っているの。君は淫乱ではないよ。」
「だって私、初めてなのに、大きな声を上げてあんなに乱れて…あの…おねだりするような真似までしてしまって。今だって、もっとしたいと言ってしまったようなものだし。こういう、性に淫らな女のことを、淫乱というのでしょう?」
「誰彼構わず、身体を許しているわけではないだろう?」
「私には、夕霧だけよ。昔も、今も、これからも。」
「それなら淫乱とは言わないよ。もし淫乱だったとしても、私にだけ、あんな可愛いおねだりをしてくれるのだろう?あんなおねだりなら大歓迎だ。いくらでも応えてあげる。…ところで、もっとしたいの?」
「そんなこと言ってないわ!」
「言った。『もっとしたいと言ってしまったようなものだし』と。」
「…だからといって、今すぐとは…」
「初夜から三日間、露顕が済むまでは、朝も暗いうちに帰らなくてはならないからね。でないと、好色者と噂されてしまう。畏れ多くも内大臣家の姫君に、そんな浮名を流させるわけにはいかないよ。…さ、今度は、どこをどうして欲しい?どのような姿勢で君の中に入ろうか。」
早くも夕霧は、私の弱点をまさぐり始める。
熾火のようにくすぶっていた私の官能に再び火がともり、夕霧の欲望も首をもたげて熱をもちはじめた。
「夕霧!」
「急がないと、迎えの者が来てしまう。君も甘やかな声を従者たちには聞かせたくないだろう?私だって嫌だ。私だけが、聞ける声なのだから。…さあ。」
「わ、私もう今夜は…あっ…あぁんそこだめ…んっ…あぁ…ん」
私の抵抗の言葉は呆気なくあえぎ声に変わり、結局夕霧を欲情させただけだった。

それでいいのかもしれない。
私たちは、やっと、誰にも憚ることなく、愛し合うことができるようになったばかりなのだから。

【終】
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【2011/08/18 00:39 】 | 未選択 | 有り難いご意見(1) | トラックバック()
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有り難いご意見
無題
二人のラブラブぶりがとてもよく伝わりました。素敵な作品でした。
【2011/10/19 01:46】| | NONAME #28a5641851 [ 編集 ]


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