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「あのね。痛かったけれど、少し解ったの。登りつめて弾ける感じがするのね…とても良かったわ。うふふ。素晴らしい研究の成果ね。」
「素晴らしいのは君の感度さ。私は情けなくも自分の欲望のままに動いてしまっただけ。君を気遣う余裕も全くなかった。」 夕霧はお詫びをするように私の額に口づけを落とし、髪をなでてくれた。 私は、気にしないで、という気持ちをこめて、首を横に振る。 「…あなたの物に慣れて、痛くなくなる日が来たら、もっと良くなるの?」 「次の約束は、それにしようか。君を、天まで昇らせてあげること。いろいろな手段があるそうだから、一つずつ試して、一番いいのを見つけてあげる。」 「私だけじゃいやよ。一緒に昇っていきましょう。…あの、私のような淫乱な女でも、夕霧は嫌いにならない?」 行為の最中の自分の乱れぶりを思い出し、今更ながら私は心配になった。 本当は、夕霧は、はしたない姫だとあきれているのではないかしら。 「何を言っているの。君は淫乱ではないよ。」 「だって私、初めてなのに、大きな声を上げてあんなに乱れて…あの…おねだりするような真似までしてしまって。今だって、もっとしたいと言ってしまったようなものだし。こういう、性に淫らな女のことを、淫乱というのでしょう?」 「誰彼構わず、身体を許しているわけではないだろう?」 「私には、夕霧だけよ。昔も、今も、これからも。」 「それなら淫乱とは言わないよ。もし淫乱だったとしても、私にだけ、あんな可愛いおねだりをしてくれるのだろう?あんなおねだりなら大歓迎だ。いくらでも応えてあげる。…ところで、もっとしたいの?」 「そんなこと言ってないわ!」 「言った。『もっとしたいと言ってしまったようなものだし』と。」 「…だからといって、今すぐとは…」 「初夜から三日間、露顕が済むまでは、朝も暗いうちに帰らなくてはならないからね。でないと、好色者と噂されてしまう。畏れ多くも内大臣家の姫君に、そんな浮名を流させるわけにはいかないよ。…さ、今度は、どこをどうして欲しい?どのような姿勢で君の中に入ろうか。」 早くも夕霧は、私の弱点をまさぐり始める。 熾火のようにくすぶっていた私の官能に再び火がともり、夕霧の欲望も首をもたげて熱をもちはじめた。 「夕霧!」 「急がないと、迎えの者が来てしまう。君も甘やかな声を従者たちには聞かせたくないだろう?私だって嫌だ。私だけが、聞ける声なのだから。…さあ。」 「わ、私もう今夜は…あっ…あぁんそこだめ…んっ…あぁ…ん」 私の抵抗の言葉は呆気なくあえぎ声に変わり、結局夕霧を欲情させただけだった。 それでいいのかもしれない。 私たちは、やっと、誰にも憚ることなく、愛し合うことができるようになったばかりなのだから。 【終】 PR |
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二人のラブラブぶりがとてもよく伝わりました。素敵な作品でした。
【2011/10/19 01:46】| | NONAME #28a5641851 [ 編集 ]
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