■■28
のだめは幾分放心したように、痛みに痺れる下半身を労わるように、
身体をベッドに預けてその千秋の動作を見つめる。
「…先輩が、服、脱いでマス……」
「…おかしいか」
千秋はのだめの声に、わざと拗ねたように返す。
気持ちはこんなにも急いているのに。
のだめがあまりに可愛らしくて、頭にもやがかかったように、その動作を緩慢にさせる。
千秋が最後の衣服を脱ぎ捨てると、のだめはそこを凝視し、身体を縮こませた。
明らかに、怯えた視線。
「……見るの、初めてか…?」
千秋のモノは、既に臍に届かんばかりに太く長くそそり起ち、硬化していた。
のだめは小さく頷くと、我に返ったように不自然に視線を逸らす。
「いいから、見ろよ。この先ずっと付き合うことになるんだから」
どこからか取り出したゴムをくるくるとはめながら、千秋は内心苦笑した。
…なんてムードもなにも無いことを言ってんだ、オレは。
しかしのだめは嬉しそうに微笑むと、はい、と返事をし、おそるおそる視線を戻した。
その時はもう、千秋はのだめの下腹部に移動していて。
千秋はそっと膝を割って、その間に身体を滑り込ませる。
のだめは少し抵抗を見せたが、拒まない。
■■29
一糸まとわぬ姿になった千秋は、自身に手を宛て、そっとのだめのそこに宛てがった。
「…………っぁ、」
吐息と共に、喉からくぐもった声を漏らすのだめ。
「いいか、…挿れるぞ」
千秋が意図しないまま掠れてしまった声を掛けると、のだめは千秋を見つめ、頷いた。
…ズ、ブ。
「…!」
「…………!!」
途端に目を強く瞑り、白い喉をのけぞらせ、口を大きく開けて声にならない声を出すのだめ。
千秋もまた、初めてののだめの感触に、思わず目を強く瞑る。
ほんの数ミリ入れただけなのに。
まだ亀頭の半分も入っていないのに。
絡みつくようなのだめのそこは、ねちゃねちゃと粘性を伴って、千秋を直に刺激する。
熱かった。
あまりの気持ちよさに、千秋は顔を歪めた。
同時に、このまま力の限り押し込んでしまいたい激情に襲われた。
全ての理性を総動員して、その欲望を必死の思いでとどまらせる千秋は、肩で息をつく。
のだめもまた、千秋の感触に、初めて挿入される感触に、世界がひっくり返ったような心地だった。
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