とても、ゆっくりと、だけれど。
千秋は指を進める。傍目には動いているのがわからないくらいに、丁寧に。
ズ、……ズ、ズ………
緩慢な動作でようやく根本まで飲み込まれると、千秋は一つ息をついた。
……あたたかい…熱い……のだめの中…………。
全部挿入できたからといって、油断はしない。
内壁は依然揉みほぐすように、労わるように。
その指の動きに合わせて、のだめの吐息が荒くなる。
徐々に、強く。
押し広げるように、味わうように。
ふと、ラクになるかと親指で蕾を優しく転がしたが。
「ひゃはぁっ!ヤッ!変デスッ!!」
途端に痛いほど締め付けが強くなり、顔をのけぞらせて悲鳴にも似た啼き声をあげるのだめ。
「…ご、ごめん」
…ごめんって何だ。
つい言葉が詰まってしまって、千秋は頬を染めて吐息を漏らす。
と同時に、苦渋に満ちたのだめが、それでも必死で異物感と戦っているのだと思い直す。
■■25
「…ゆっくり…ゆっくりお願いしマス……」
ハァハァと荒い息をつきながら、のだめは千秋の胸に再び顔を埋める。
「…うん」
千秋はのだめの様子が多少落ち着いてきたのを見計らって、
そっと注意深く、2本目の指…人差し指を、中指に沿わせ、入口付近に浅く挿入した。
「…んっく……!」
のだえめはくぐもった声を上げるが。
それでも初めに中指を挿(い)れた時よりは、幾分余裕があるように見える。
「大丈夫か…?」
ダメと言われても、退ける自信はない。
とっくに自分のモノは、はちきれそうにズボンを押し上げている。
早く挿れたい、と濁流のようにひっきりなしに押し寄せる欲望を、ずっと、必死で押し込めているのだから。
しかし千秋は、のだめを労わるあまりそう声をかけずにはいられなかったのだ。
「…だ、大丈夫デスよ…」
額に汗を浮かべながら、ひきつった笑みを零すのだめ。
「…バカ、無理して笑うな。キツかったら言え」
千秋は、少しでも負担を軽くしてやりたくて、のだめに答えた。
のだめの額に浮かぶ汗にそっと口付けながら。
その間も、二本目の指は、ゆっくりゆっくりと挿入を続けている。
「だ、大丈夫デス、のだめ、我慢できマスから……」
「いや……」
千秋は、優しく否定の声を上げる。
「言わないと、多分もうオレ、止まれない…から……」
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