体を密着させながら、二人はしばらく互いの心音を聞き合っていた。
のだめの汗ばんだ体から、石鹸と(さすがに風呂にはいっていたらしい)人肌の温められた匂いがしている。
こっちに来てから、人のいる場所では常にパフュームの匂いを感じていた千秋はこの自然な匂いをとても好ましく思った。
「のだめ」
囁きながら千秋はゆっくりと動き出した。
「ほあっ」のだめがのけぞる。
なるべく摩擦を感じさせないように、腰を密着させてこねるように動いた。
のだめのなかは熱く狭く、激しく動けば千秋のほうが撃沈しそうでもあったからだ。
千秋も息が荒くなる、額に汗が滲んでくる。
ふと千秋が閉じていた目をあけるとそんな千秋の顔をいつの間にか、のだめが見つめていた。
「…なんだ?」
「先輩の顔、エロチックデスよ。初めて見ました…」
「軽口たたけるようになったじゃないか」
少し意地悪い気持ちで、千秋はのだめを突きあげた。
「はあっ、あっ、あんっ」
抽送を繰り返すたびに、のだめがもらす声にかすかに甘い響きが混ざってきた。
まさか感じているわけはないと思いつつ、千秋は「気持ちいいのか?」と聞いた。
「わ、わかりません…。ただ嬉しいんデス。だから…気持ちはいいのかもデス」
性感ではなく、千秋に抱かれてる喜びを全身でのだめは感じているらしかった。
最初は痛みと緊張で、それを感じている余裕もなかったのだろう。
千秋はホッとした。そして同時に絶頂が近づいてきた。
「のだめ…っ、出すぞっ」
千秋はうめいた。
「出すって何をデスか!?」
のだめの叫びに千秋は危うく、射精のタイミングをはずすところだったが
それでもなんとか、のだめの膣からペニスを引き抜き、外に射精することができた。
(まさかこんなことになるとは思ってなかったので、当然避妊具などは用意してなかった)
熱いほとばしりがのだめの腹から乳房にふりかかる。
白い凝りのなかに、うっすらと赤い糸のような血が混じっていた。
千秋はしばらく荒い息をついていたが、やがて呼吸が整うと、のだめの頭をピシャリとひっぱたいた。
「はぎゃ!」
「こんな時までボケてるんじゃない!」
本当にどこまでも、のだめはのだめであると千秋は思い知った。
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