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【2025/07/19 04:35 】 |
千秋×のだめC:5
ほっと胸をなで下ろして、カシミヤのロングコートを脱ぎ、クローゼットへかけた。

「えーーっ……り、……なのぉー?」
んっ?
「……ばっかり、……するんですー」
誰かいる?
続き部屋へのドアの向こうで、誰かがしゃべっている。
耳をそばだてると、声がはっきり聞こえてきた。
「一緒に眠るときも、ずーっと胸触ってるんデスよ」
「あはは、ムッシュー千秋はオッパイ星人なのねー」
……なんの話をしてるんだ、のだめ…………。

千秋は勢いよくドアを開けた。
「そこで何してる……?」
「あれっ、センパイ?……帰りは明日じゃなかったデスか?」
「お、お帰り、千秋……」
怒りのオーラにつつまれる千秋を見て、ターニャはびっくりした顔をしている。
まずい、と思ったのか、そそくさと帰り支度をはじめた。
「ウォッカのお裾分けに来たのよ。もう、少なくなっちゃったけど……の、飲んでね?」
「……それはどうもありがとう」
「じゃ、のだめ、私帰るね。……邪魔しちゃ悪いしー……さよならーー」
逃げ足早く、ターニャは去っていった。

のだめは酔っぱらっているのか、立ち上がったがふらふらしている。
「お帰りなさい、千秋先輩……」
抱きつこうとするのだめを制止する。
子供にするように、腕を伸ばしておでこにあて、それ以上近づけないように。
「はうぅ……せんぱぁい」
「おまえ、ある事ない事周りに言ってないだろうな?」
「なんの事デスかー」
「お、俺が……その……オッパイ星人だとか……!」
「聞いてたんですかー?さっきの話……。でも、先輩がオッパイ星人なのはほんとの事デスよ?」
「ほんとでも何でも、言っていい事と悪い事があるだろーーー!!」
「ぎゃぼーーー!!」
千秋は、ローテーブルの上のさきいかを、勢い良くのだめにたたきつけた。
「それに!!お前の部屋!!こんな短期間に、何であんなに散らかせるんだ!」
「はうーー」
のだめはさきいかまみれで、唇を尖らせた。
「一週間ぶりにあったのに、ひどいデス……せめて、ハグ……ハグだけでも……」
「やだ」
拒まれたあげく、部屋の外に放り出された。
「とにかく、部屋の掃除をしろ。以上」
ドアを閉めようとしたが、のだめはなおも食らいつく。
「キス……キスだけ……」
千秋はのだめのおでこをぱしっ、と音良く叩いた。
「お前が部屋を綺麗にするまでお預け。して欲しくば掃除しろー。じゃあな!」

ドアは冷たく閉じられた。……おまけに、ドアチェーンまでかけられた。
「がぼーーーーーん……」
涙ぐみながら自室へ戻るのだめを、螺旋階段の上でターニャがこっそり覗き込んでいた。
「……あの二人本当に恋人同士なのかしら…………」
……千秋は千秋で、『オッパイ星人』の烙印を押された事にショックを隠しきれず、
死んだようにベッドに倒れ込んだ。

二日後、一向に片づかないのだめの部屋にしびれを切らし、率先して掃除してしまう千秋がいた。

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【2011/06/27 08:35 】 | 千秋×のだめ | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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