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ほっと胸をなで下ろして、カシミヤのロングコートを脱ぎ、クローゼットへかけた。
「えーーっ……り、……なのぉー?」 んっ? 「……ばっかり、……するんですー」 誰かいる? 続き部屋へのドアの向こうで、誰かがしゃべっている。 耳をそばだてると、声がはっきり聞こえてきた。 「一緒に眠るときも、ずーっと胸触ってるんデスよ」 「あはは、ムッシュー千秋はオッパイ星人なのねー」 ……なんの話をしてるんだ、のだめ…………。 千秋は勢いよくドアを開けた。 「そこで何してる……?」 「あれっ、センパイ?……帰りは明日じゃなかったデスか?」 「お、お帰り、千秋……」 怒りのオーラにつつまれる千秋を見て、ターニャはびっくりした顔をしている。 まずい、と思ったのか、そそくさと帰り支度をはじめた。 「ウォッカのお裾分けに来たのよ。もう、少なくなっちゃったけど……の、飲んでね?」 「……それはどうもありがとう」 「じゃ、のだめ、私帰るね。……邪魔しちゃ悪いしー……さよならーー」 逃げ足早く、ターニャは去っていった。 のだめは酔っぱらっているのか、立ち上がったがふらふらしている。 「お帰りなさい、千秋先輩……」 抱きつこうとするのだめを制止する。 子供にするように、腕を伸ばしておでこにあて、それ以上近づけないように。 「はうぅ……せんぱぁい」 「おまえ、ある事ない事周りに言ってないだろうな?」 「なんの事デスかー」 「お、俺が……その……オッパイ星人だとか……!」 「聞いてたんですかー?さっきの話……。でも、先輩がオッパイ星人なのはほんとの事デスよ?」 「ほんとでも何でも、言っていい事と悪い事があるだろーーー!!」 「ぎゃぼーーー!!」 千秋は、ローテーブルの上のさきいかを、勢い良くのだめにたたきつけた。 「それに!!お前の部屋!!こんな短期間に、何であんなに散らかせるんだ!」 「はうーー」 のだめはさきいかまみれで、唇を尖らせた。 「一週間ぶりにあったのに、ひどいデス……せめて、ハグ……ハグだけでも……」 「やだ」 拒まれたあげく、部屋の外に放り出された。 「とにかく、部屋の掃除をしろ。以上」 ドアを閉めようとしたが、のだめはなおも食らいつく。 「キス……キスだけ……」 千秋はのだめのおでこをぱしっ、と音良く叩いた。 「お前が部屋を綺麗にするまでお預け。して欲しくば掃除しろー。じゃあな!」 |
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