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【2025/07/19 03:21 】 |
嫉妬:8
くっくっく、と笑いながら、千秋はその小さな背中を胸の中にすっぽりと包み込む。
「いっぱいに濡らして、何回もいっちゃって、お前の体、エッチだな~」
「だって、だって、先輩がそゆこといっぱいするからですヨ!のだめのせいじゃ、ありまセン!!」
「…エッチな事する俺は、嫌いか?」
一瞬間を置いて、のだめはぶんぶんと首を横に振る。
「さっき言ったじゃないデスか……。どんな先輩だって好きですヨ……」
「……俺だってそうだよ。お前がどんなでも、のだめがいいんだ」
首筋に頬を寄せると、肌から微かに立ち上る甘い香りが鼻腔を擽る。
千秋はうなじに吸い付き、所有の証を刻んだ。
「シャワー浴びよう。……体がべとべとだ。シーツも替えなきゃな……」
「ぁ……ゴメンナサイ…のだめ、粗相しちゃったから…」
「違うって。あれ、おしっこじゃないし……」
「そうなんデスか?……私、先輩の目の前で漏らしちゃったのかと思って……」
恥ずかしくて泣き出しそうな顔で、のだめは体を向き直った。
「いっぱい感じた証拠だろ。……うれしかったよ」
ほっとした顔ののだめをもう一度抱きしめてから、名残惜しく千秋はベッドを抜け出た。
「先にシャワー使えよ。俺、シーツ替えるから」
「ふぁーい。……あ、あれ?……はううぅー」
新しいシーツを取り出しベッドへ戻ると、のだめがベッドの脇にへたり込んでいる。
「……何やってんだ、おまえ」
「…力入んなくて……立てまセン……あへー」
「しょーがねーな、ほら」
「はぎゃっ」
背中と膝の裏に腕をまわし、いとも簡単にのだめを抱き上げてしまう。
「じゃ、一緒に入るか。久しぶりに、頭洗ってやるよ」
「おねがいしマス……」
のだめは千秋の首にしがみつき、鎖骨に首を預けた。
空腹を満たしたら、二人は再び肌を合わせた。
疲れてはブランケットにくるまってまどろみ、目覚めては求めるままに抱き合った。
快楽に身を寄せ、その波間に二人たゆたい、何度でも深く落ちていった。

……そうして、二度目の朝を迎えた。
千秋は軽やかなピアノの音色で目が覚めた。
半分だけ開いた続きの部屋の扉の向こうで、のだめがピアノを弾いているのが見える。
のだめのピアノを、久しぶりにきいた気がする。
相変わらず、跳ねて、飛んで……けれど、楽しげなのだめのピアノ。いつものように口を尖らせたかと思うと、満足そうに微笑んだりして、表情がくるくると変わる。
揺れる体に合わせて、さらさらとこぼれる栗色の髪に、窓からさした朝日が光って、まぶしい。
その愛しさに、千秋は目を細めた。
表情と同じように色彩豊かなその音色を楽しみながら、千秋は再び眠りへ誘われていった。
再び目が覚めると既にのだめの姿はなかった。
ベッドから抜け出し、近くに脱ぎ捨ててあったパジャマを着ると、散らかった部屋を片付けていく。
ワインボトル、グラス、食器、シーツ、ブランケット、枕…そして、自分とのだめの下着。
「………………」
……いくつかの丸められたティッシュ。拾い上げるたびに、この散らかり具合からわかる二日間の情事を思い出して赤面してしまう。
初めてのだめを抱いた時、既に多少の片鱗を見せていたものの、まさかあれほどまで乱れる体だったのかと、正直驚いている。
一つ一つのピースがぴったりとはまっていくように、数を重ねるごとにセックスが良くなっていく。
それに、今までになかった一体感を、のだめは自分に与えてくれた。
つながり、密着して抱きしめたとき、自分とのだめとの境目が無くなり、まさに一つのモノになる瞬間がある。
その度、千秋はもうのだめから離れられない、と自覚するのだ。

千秋は部屋に篭る濃密な空気を逃がすため窓を開けた。
「寒っ…」
強い風が入り込んで、その冷たさに千秋は体をちぢこませる。
『風強い=飛行機大揺れ』
そんな図式が頭をよぎって、紅潮していた顔は途端に青ざめた。
乱れたベッドをなおしていると、キャビネットの上にのだめの置手紙を見つけた。

『先輩、おはようございます
今日は学校があるので行って来マス。
午前中だけなので、出発の飛行機にはまにあいそうです。
待っててくださいネ
ジュテーム★
 のだめより』

「なにが"ジュテーム★"だ……。きたねー字!」
のだめの書き置きを読みながら、千秋はクスリと笑った。
便せんの端には、わざわざ口紅を塗って付けたのか、ご丁寧にピンク色のキスマークが記されている。
そのかわいらしさに千秋はまたも笑った。
手馴れた手順で一週間分の荷物をそろえ、再び旅支度をし始める。
これが終われば、しばらくはパリに留まれるはずだ。……エリーゼが予定外のバカンスを取らなければ。あんな事務所と契約した事を、千秋は甚だ後悔していた。
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【2011/06/28 19:06 】 | 千秋×のだめ | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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