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【2025/07/19 01:54 】 |
Kiss away:3
 いつまで経っても一向に慣れないのだめの幸せそうな恥ずかしそうな様子に、千秋の表情も緩む。
「これから気をつければ大丈夫だろ。まだ綺麗だし」
 二人が知る由もないが、ルビーは、情熱の石であり、愛情を司る石。
褪せることなく、キラキラと輝いている。
「…なんたってオレの最初のプレゼントだからな。せいぜい大事にしろ」
「は~い。
……『最初の』ってことは、また買ってくれるってことデスか?
そ、それってもしや、プ、プ、プロポー…」
「知るか」
 つれない返答の千秋だが、のだめは満足そうに、にっこりと笑う。
上気した頬。
熟れた苺色の唇は少し開いたまま、この上なく幸せそうに細めた目で千秋を見上げた。
 …あの変態としか思えなかったのだめが、こんな表情をするなんて。

■■11
 千秋の目には、そののだめの仕種一つ一つが可憐にさえ見えて。
自分に対しての信頼感、ゆえの無防備。こんなにも全てをさらけ出している。
 そうして初めて、今までのだめが自分に抱いていただろう想いを理解したのだった。
 いや、むしろ、いつの間にか千秋の方こそがこんなにものだめを想っていたのだった。
「いいからもう黙れ…」

 千秋はのだめの反応を注意深く伺いながら、再びその首筋へ唇を落とした。
「ひゃ、…ぁんっ……」
優しく触れ、押し付けて一舐めし、ちろちろと舌を遊ばせてから、吸い上げる
 その度にのだめの白い喉がのけぞる。
細い肩が揺れ、苺色の唇からは、頼りなげな吐息が漏れる。
そして顔は甘やかにのけぞり、まるで好きなようにしてくださいと乞うかのように千秋に差し出される。
 のだめの顔は苦しそうに歪められ、
しかし、その手はしっかりと千秋の腕を握り締めており、拒絶の言葉も出てこない。
 可愛いと、思った。
 愛しい、と。
千秋は、そんなのだめに煽られるように、のだめの胸に手を伸ばした。
 薄手のニットの上からでもはっきりとわかるほどのボリューム。
そのカーブに力を抜いた掌を沿わせ、優しく撫でる千秋。
「ん~~~~~~…」
 のだめの身体は途端に強張り、その感触に耐えるかのようにじりじりと身じろぎしている。
その表情は苦しそうにも見えたが、声を出すまいと、唇はきつく閉じられている。
 千秋は誘惑に負け、そののだめの胸を包み込むように、揉んだ。

■■12
「ひゃっ!!」
 のだめはびくりとすると、自らの胸を両手で包み隠した。
 そうして咄嗟に、伸ばされていた両脚を引き戻して体育座りのような格好となる。
「…おい、手と脚、ジャマ」
 千秋がどうしても荒くなってしまう息遣いをなんとか隠しながら言うと、
のだめは真っ赤に染まった頬で目を瞑ったまま、ただブンブンと首を横に振る。
「ダ、ダメです、せ…先輩がいやらしい……」
「いやらしいだあ…?!」
 …オレは男の本能のままに動いただけだ。
そうかオレはエロいのか。そうかもしれない。
だがその気にさせたのだめが悪いのだ。そうだそうに違いない。
「というわけでお前が悪い」
「ぎゃぼ?!」
 のだめは理解不能のまま眉間に皺を寄せて抗議するが。
「……気持ち良くは…なかった?」
 また唐突に甘い声色に戻り、千秋は、のだめの耳元で優しく訊ねた。
その髪を幾度も撫でながら。
 敏感な耳に千秋の熱い吐息と甘いささやきが心地良くて、のだめはふと気が遠くなるような気がした。
「……よく、わかんないデス。変な気持ち……」
 口をとがらせて目を伏せるのだめ。
「変?どんな風に?」
「わかんないです……。でも、先輩の掌が大きくて、ドキドキしまシタ……」

 そのままのろのろと視線を上げ、千秋の瞳を見つめるのだめ。
 千秋は、ゴクリと喉を鳴らした。
 そして、ゆっくりと、言う。
「ドキドキしたんだな、のだめ?」
「…………。」
 のだめは無言で頷くと、再び顔を伏せてしまった。恥ずかしさで耳まで真っ赤になってしまう。
「変な気持ちの正体、教えてやるよ」

■■13
 その言葉に今までにはない慈しみが含まれていることに気付き、のだめは無意識の内に千秋から逃げようと僅かに身体を背けかけた。
しかし、それを押さえ込むかのように、千秋はのだめの手を固く握り締める。
「それともオレじゃいやか……?」
 弱気な、小さな声の問いかけだった。
 のだめはその千秋らしからぬ問いかけに少し驚き、千秋を見つめる。
 千秋の瞳は、まるで背を向けた母親にすがるような小さな子供の頼りなさに満ちていた。
「お前がいやなら、しない。…いつまで我慢できるかは、わからないけど」
 千秋は欲求を最大限に抑え、のだめの瞳を覗き込んで、その真意を探ろうとした。
なぜなら、小さく膝を抱えるのだめが、あまりにも愛らしくて。
羽をもいでしまうには、痛々しすぎて。

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【2011/06/27 14:54 】 | 千秋×のだめ | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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