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【2025/07/19 01:32 】 |
Kiss away:4
 しかし千秋は、言わずにはいられなかったのである。
「オレ、お前が好きだ。だからお前の身体触りたい」
 千秋の、真摯な視線。
 のだめは一瞬その瞳に捕らえられた後…
恥ずかしそうに、しかしとても嬉しそうに頬を染めた。
「いやか……?」
 いつになく不安気に表情を曇らせる千秋に、
のだめは持てる限りの力を使ってなんとか首を横に振った。
「…いやじゃ、ないデス。先輩。」
 そう言っておずおずと微笑むのだめに、千秋はほーっと息をついて、その身体を抱きしめた。
「よかった……」
「あ、でも先輩……」
「なんだ?」
 千秋はお互いの顔が見える程度に身体を少し離すと、のだめを覗き込んだ。
「キス、して欲しいデス。その、ちゃんと……唇、に………。」

■■14
 どんどん語尾が小さくなり、ついでに身体も縮こまってゆくのだめ。
 そのいじらしさに胸を突かれて、千秋は再び、のだめを抱きしめた。
そして、のだめの頬を優しく撫でながら上向かせた。
「なんだかのだめ…おかしいんデス…寒くないのに身体が……」
 ガチガチと歯の根の合わない音をさせているのを聞いて、こんな状態でこの身体を求めてもいいのだろうかと心配する千秋だったが。
「大丈夫だよ」
 千秋は、のだめの唇に自らのそれを重ねた。
「…んっ…………」
優しいキスだった。
あたたかい。
柔らかく、甘やかな感触。
シャンプーの香り。
 ふと、千秋は唇を離した。
 互いの瞳の中に自分の姿を見る、静まりかえった、永遠とも思われるような時間。
「…ぁ……」
 のだめは何か言おうと口を開きかけたが、
 千秋はさえぎるようにもう一度唇を落とした。
 一瞬だけ唇が触れ、また離れる。
 今度はのだめは口を開かない。ただじっと、千秋を熱く見つめた。
 千秋は薄く微笑むと、再び唇を重ねた。

■■15
「…ん、ぅ、…ぁー……」
 触れるだけのキスではもう我慢ができない。
千秋は深く口付け、舌をのだめの口内に差し入れると、思うがままに蹂躙した。
 驚いて引こうとするのだめの後頭部に手を宛て、決して逃げることを許さない。
 どうしていいかわからず抵抗すらできないのだめの舌に自らの舌を絡ませて、舐め上げ、絡める。
 何度も何度も。
「んっ~…んっ!」
 初めての感触に戸惑いつつも混乱するのだめにはおかまいなく、千秋はのだめを貪った。

舌を絡ませれば、逃げようとする。その舌を追い、開かせ、擦り付ける。
 そっと歯列をなぞると、面白いようにのだめの腰が引ける。
その腰をぐいと引き寄せて、口内をあますことなく犯してゆく。
 堪えきれずに上がる鼻にかかった声が、千秋の頭に直接響く。
 千秋は、のだめの唇を貪りながらそっと目を開けた。
のだめは苦しそうに顔をしかめ、頬を染めたまま上向きになり、
口は千秋のなすがままにされ、唇もろとも口内を犯されて為す術もない。
 両脚は力なく放り出され、手は、片方は床に。
もう片方は、…千秋の背に必死にしがみついていた。
 ……なんて、愛らしい……。
 千秋は言いようのない高揚感に背中を押されていた。
 唇を相変わらず激しく求めつつも、その顔に目を戻すと。
 ……視線が交錯した。

■■16
 熱に浮かされたようなのだめの瞳が、千秋の瞳をはっきりと捕らえる。
そうしてそのまま一時見つめあったが……
千秋が唇を離すと、その衝撃で、また閉じられた。
「…っん、…は、はぁ……ぁ…………」
 千秋の腕を握り締めたまま肩で息をつくのだめ。
千秋も、もう荒い息遣いを隠せない。
 千秋は、のだめをその胸に抱きしめた。
優しく、まるで生まれたばかりの雛を扱うように。
 のだめはそっと千秋の胸にもたれ、目を閉じた。
暫くはそうして二人、身体を寄せ合いながら余韻に浸っていた。
「…のだめ、お前、オレが最初にキスした時のこと覚えてるか?」
 千秋は乱れた前髪をぐいとかきあげると、唐突に言った。

■■17
「最初の…デスか…?」
「そう、最初の」
「う……、えっと、……」
「お前、色気のない声出すし」
 のだめはすっかり熱を帯びた頬に手を宛てて、記憶の糸を辿る。
「あの時は…オクレール先生に全然ダメって言われて…千秋先輩にも聴きたくないって言われて……」
「言ってねぇっつの」
「それで……されたようなされてないような……物質的には、理解できてたんですけど」
 千秋は力が抜け、壁にゴンとよりかかると、腕をだらりと降ろして
ムンクの叫びのような表情で呆然と固まってしまった。
「せ…先輩……?」
「……もういい…………。」
 がっくりとうなだれる千秋をよそに、のだめは、あわあわと首を振る。
「だ、だって、先輩も先輩デスよ!」
「オレが何……」
「だって、帰ってくるなり弾けって、それでダメだって」
「だから言ってないし…」
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【2011/06/27 14:55 】 | 千秋×のだめ | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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