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しかし、それでいいと思う。
それでこそののだめであり、のだめのピアノであるのだ。 そして千秋はそういうのだめのピアノを愛している。 しかしそんなことは口に出さず、千秋はのだめを引き寄せながらベッドに埋まった。 「もうどっと疲れた…寝る」 体を繋いでしまった二人の間の空気が、これからどう変わるのか。 のだめの音楽になにか変化が現れるのか。 まったく変わらないような気もうすうすしながら、千秋は眠りにおちようとしていた。 PR |
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彼女の頬やまぶたに絶えずくちづけながら、千秋はゆっくりと股間に手をのばした。
恥毛のほとんどないそこの手触りは千秋にとっても初めてで、わずかばかりのとまどいがあったが、慎重に指をなぞらせた。 「はっ…はっ…はっ」 のだめは、もういつもの奇声をあげることもせず、千秋のなすがままになっている。 音楽の時と同様、のだめは千秋の技巧に酔っていた。 千秋は二本の指で、のだめの淫核をまわりの肉ではさむように扱いた。 時にゆっくりと、時にリズミカルに。 「先輩…のだめヘンになりそうデス…っ」 のだめは身をよじった。自分でももどかしくて、どうしていいかわからない様子だった。 「のだめ、つま先を突っ張れ」 千秋が息を吹き込むように囁く。 素直にのだめはつま先をピンと伸ばした。 「あっ…あっあっあっ…ダメ…ダメデス」 千秋の腕に爪を食い込ませながら、のだめは全身を強張らせた。 「いけ」 千秋の師のような力強いひと言に、のぼりつめた。 「あああああああ…っっ」 それはのだめにとって、初めての絶頂のようだった。 目を閉じ、涙を浮かべながらぐったりしているのだめの姿は、千秋の望むものであったが、それを楽しんでいる暇はなかった。 彼女がぐったりしている間に、破瓜という難関を突破しなくてはいけない。 千秋は体を起こし、のだめの足を抱えあげた。 したたる彼女の露を、自分の張りつめたものに塗りつけながらグッと腰をいれた。 亀頭の半分がぬるっとはいったが、その先に押し返されるような圧迫感がある。 「んあっ」 弛緩していたのだめの体が、その衝撃でまた強張った。 「力を抜いて」 いつもと違う柔らかい言い回しを千秋はしたが、のだめの体の強張りは解けない。 「ぬ…ぬけません~…。勝手に力がはいっちゃいますっ…」 「息を吐いて…」 その言葉に促され、のだめは息を吐いた。 体がほんのわずかに弛んだ、その一瞬の隙に千秋は渾身の力を込めて、のだめの閉じた部分をこじあけるように貫いた。 「あああああっっ」 のだめはのけぞり、そして脂汗をどっと額に浮かせた。全身が震えている。 彼女の痛みととまどいを考えると、千秋も胸が痛んだ。 しかし、こういうのは、かさぶたをはがすのと同じで一気にやってしまわなくてはいけない。 千秋はのだめの頭を抱え、自分の「異物」がのだめのなかでなじむのを待った。 |
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あの発作的なキスの日から数日─
のだめの心のなかで、どういう決着がついたのかは窺い知れないが びっくりするほどあっさりと、のだめはいつもの調子に戻っていた。 千秋に対する態度もまるでいつも通りで、あの日のキスのことは激情に 流されて覚えていないのかもしれない、と千秋は考えていた。 そしてそれは正直ありがたかった。 あの時の自分の行動を千秋自身も理解できずにいたので、のだめに対して どう接していいものかと思案に暮れていたからだ。 しかし、揺り返しは夕食後のコーヒーを飲んでいる時にやってきた。 「千秋先輩、もうキッスはしないんデスか?」 いきなり千秋の顔をのぞきこみながら、そう言い切ったのだめの顔に千秋は思いきり コーヒーを吹きつけてしまった。 「なんだ!!いきなり」 千秋が怒鳴るのを慣れた様子でスルーしながら、のだめは唇をとがらせていた。 「あの時びっくりし過ぎてイロイロ忘れちゃいました。なんかムツゴロウを生で かじった時みたいな感触はおぼえてるんデスけど~」 「お前はムツゴロウを生で…」 言いかけて千秋は言葉を飲み込んだ。 のだめは頬を真っ赤にして、潤んだ目で千秋を見つめていた。 「寝るときにいつも思ってました。あれは夢なのかな~って。またしてくれないかって ずっと待ってたんデスけど、先輩いつも通りデス…。涼しい顔して…のだめばっかり ドキドキデスよ…」 「そんなことはない」 千秋もまた、あの瞬間のことが頭から離れずにいた。 音楽の世界にダイブしてしまえば、完全にそちらに没頭できたが、食事や風呂、日常の行動の合い間合い間にのだめが出てきては千秋をかき乱した。 千秋は手をのばし、そっとのだめの頬に触れた。 そのまま頬を撫で、親指をのだめの唇に割り込ませた。 薄く開いたのだめの口に、そのままくちづける。 びっくりするほどの勢いで、千秋の欲望に火がついた。ほんの数分前の平静さが 嘘のようだった。 いや、平静じゃなかった─ ずっと胸のなかがチリチリしていた。それを押し殺していた。 自分が「欲望を抑えていた」という事実に千秋は初めて気がついたのだ。 荒くなる息を抑えながら、千秋はのだめの舌を吸う。 のだめの唾液は、健やかな人間特有の甘い味がした。 唇を離し、頬にもくちづける、そして首筋に。 |
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飲み込まれている二本の長い指は、細やかに内壁をなぜながら卑猥な水音を奏でている。
溢れ出た雫が、シーツをしとどに濡らしていた。 初めて見せるのだめのそんな痴態に、千秋はこれまでにない興奮を覚えていた。 (初めはただの変態女としか思えなかったのに……) 「ふっ……ふぅう……んんっ……ぁっ」 何かにつかまりたいのか、シーツの上をはい回るのだめの手をとり、千秋は体を起こした。 快感に眉根を寄せたのだめの、上気したほおに軽くキスする。 「……のだめ……いいか?」 千秋は張りつめた自分自身をのだめにあてがった。 のだめは、小さく頷いた。 ■6 「……ぁあっ……」ゆっくりと腰を入れていくと、やわやわと暖かな感触が千秋を包み込んだ。 飲み込まれるように、腰を押し進めていく。 (あっ……すげ……) 「はぁ……あぁ……」 少しずつ、前後に腰を揺り動かす。その動きに会わせて、のだめのふくよかな乳房が扇情的に揺れる。 千秋は、その谷間に顔を埋め、むしゃぶりつくように舌を這わせ、乳首に吸い付いた。 「ぁっ!!うっ……ふぅん……」 「はぁ…はぁ……のだめ………?」 千秋は、のだめが手の甲を咬んで、声を押し殺している事に気づいた。 「……我慢するなよ、声……」 千秋が腰を打ち付けるたびに、粘性を伴った水音がみだらに響く。 「だって……はぁん、先輩が、だまってろ、って……あふ……」 「……バカ。もういい。……もっと出せよ、声」 声を抑えようとする手を取り、指を絡ませあう。 力強く最奥まで進入させたかと思うと、今度はゆっくりと腰を回す。 「先輩……千秋先輩……はぅん……あぁん……もう……もう……」 恥骨を押しつけ、突起が刺激されると、ぐっと締め付けが強くなる。 絶頂が近いのか、のだめは腰を前後にくゆらせた。 「はぁ……のだめ……もっときかせてくれ……」 お前の声を、お前の音楽を 「はぁん……あっああ……!!」 のだめの痙攣したかのような締め付けに、千秋も解き放った。 ■千秋×のだめ7 「ほんとに、的はずれなんデスよ、先輩は……」 ベッドでくうくうと寝入っている千秋に、のだめは毒づいた。 「さてと……やらなきゃデスよ……」 脱ぎ捨てられた服にもう一度手を通す。 机の上にいくつもの楽譜を開いて、自分の音を一音一音探っていく。 自分のピアノ。自分の音。自分の音楽。 何かをつかむために。 「明日は、絶対リベンジ」 |
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■1
「的はずれなことばっかり!」 (ちょっと待て……何でこんな展開なんだ) 千秋を部屋から追い出そうと、のだめは突っぱねた。 (くそ、キスまでしてやったのに……!) 「もう、のだめのことはほっといてください!!」 のだめがそう言うや否や、千秋は自分を追い出そうとするのだめの腕を強く引き寄せ、再び唇をふさいだ。 「うっ……!んむっ……」 のだめが、抗うようにして身をよじる。暴れだしそうなもう片方の腕も捕らえた。 身動きの取れなくなったのだめは顔をそむけようとするが、千秋の唇が追いかけて離れない。 (違う……そうじゃない) いつしか形勢が逆転し、千秋はのだめを壁に押し付ける格好となっていた。 強引に舌をねじ込むと、しばらくしてのだめはおとなしくなった。 (俺がこうしたかったんだ……) ■2 「……っ……んん」 息苦しそうなのだめの反応に、千秋は唇を離した。 「俺はおまえのピアノが好きだから」 (あせることなんか、何も無いのに……) 「先輩だけが好きでもしょうがないんですよ!!」 のだめは捕まれた腕を揺すって、千秋から逃れようとするが、それはもう本気ではなかった。 よく尖る、いつものあの口と同じ唇が互いの唾液に濡れて光っている。 「好きだ、おまえのピアノが……」 千秋はそれに誘われるまま、今度は優しく唇を重ねた。 何度も何度も、時折軽く音を立てながら。 それに答えるように、のだめはぎゅっと握りしめていた拳を解いた。 「同情するなら金をくれっていうんでデスよ……」 「俺が同情でこんな事すると思うか?」 のだめが抵抗しないとわかると、千秋は腰を抱き寄せた。 「好きだから……」 千秋の指先が、のだめの腰から上へとゆっくりとなで上げていく。 (…………おまえが) 指先が優しく首筋にたどり着くと、のだめは今までと違うため息を短くついた。 ■3 首筋を唇でたどりながら、千秋はワンピースのファスナーを下げ指を滑り込ませた。 のだめは小さく「ぎゃぼ!」と腕の中で声を上げたが、千秋の指は止まらない。 左手で背中をなで上げながら、右手はすでに胸の柔らかな感触を楽しんでいた。 「ふあ……あっ、千秋先輩……あの……」 「……イヤか?」 (イヤって言われても止まりそうもないけどな……) 「……い……イヤって言ったらどうなんデスか?」 |
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ゆっくりと首を廻して自分を仰いで力なく笑みを零すのだめに、千秋はそっと微笑んだ。
「大丈夫か?」 「だいじょぶデス……」 千秋は、そう小さく言うのだめの髪を優しく撫でてやった。 「……痛かっただろ」 そう言って、千秋は、のだめのその紅い唇に口付けた。 そっと。労わるように。 「先輩…、ちゃんと、気持ち良かったデスか?」 千秋はのだめの額に唇を落とした。 「…うん」 その唇の感触に癒されるように、のだめはくすぐったそうに柔らかく微笑む。 …あの破天荒な音楽。すぐはねるピアノ。 好きデスと言いながら、オレがその気になるとすぐ話題を逸らした、……蝶。 「……つかまえた」 千秋は快感の渦に飲まれながら、笑みを零した。 のだめもまた、顔を引きつらせながらも千秋を見上げ、微笑んだ。 「…捕まっちゃいまシタ、ね」 そのまま二人は微笑みを交わし、互いの体温を感じながら、ゆっくりとまどろんでいった。 <終> 【Kiss it better】:キスして治す |
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「先輩?」
千秋は、答えない。 のだめの目も見れない。 なぜなら、今顔を見てしまえば、もう、きっと、抑えがきかないから。 するとのだめは、そっと口を開いた。 「…いいデスよ。先輩、動いてください……」 ■■37 「男の人って、入れてから、動いて気持ちよくなるんデショ? のだめ、もう、ダイジョブ…デス。だから、先輩に気持ち良くなって欲しいんデス」 微笑むのだめ。しかし、その表情はまだどこか引きつっている。 「でも…お前、痛くないわけ…」 「も~、やっぱり先輩ってば的外れ!」 「ま…的外れ……?」 千秋は初めて唇を奪った時と同じ、その縁起でもない言葉に顔を引きつらせる。 「先輩はのだめが好きだから心配してくれてるんデショ? のだめだって…先輩が好きなんデスよ。先輩に気持ち良くなって…欲しいデスよ……」 千秋の胸は、ドクドクと高鳴る。 もう、限界だ。 「ん…なるたけ痛くないようにする…から……」 千秋は、あまり膣内を擦らないようにほんの気持ちだけ腰を引くと、 ゆっくりと、しかし力強く押し込めた。 「……ん、」 快感に顔を歪める千秋。 そんな千秋の肩に顔を再び埋め、痛みに顔を歪めるのだめ。 こんな表情、千秋に見せられないから。 こんなに幸せなのに、もし痛がってるのがバレたら、この人はきっと自分を気遣ってしまうから。 千秋はそのグラインドを繰り返した。 膣内を殆んど擦ることなく、逆に子宮の奥を鈍く突くように。 「…う……」 千秋は低い声でうめく。 ■■38 のだめは、千秋の首にまわした腕にありったけの力を込める。 ゆっくりだが、何度も何度も繰り返される突き。 その度に歯をくいしばり、ジェットコースターから振り落とされまいとしがみつくようにその痛みに耐え、 千秋の熱と満ち足りた感情に酔う。 もしのだめの千秋への想いの深さを測るとしたら、その腕に込められた力が、何よりの証拠だった。 千秋は、まとわりつき締め付ける膣内に、とうに理性を奪い取られていた。 押し込んだモノを飲み込むのだめの膣内。 千秋は、指先で揉み解した時と同じように、今度は自身のモノで内壁をまさぐった。 すると。 「…ふわぁっ!!」 首にまわされていたのだめの腕の力が急激に抜け、 天から降ってきたかのような、はっきりと快感が滲む高い喘ぎが漏らされた。 |
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■■33
のだめは千秋の後頭部に手を伸ばし、千秋の唇に、力の限り自分の唇を押し付けた。 「……ン、んぅ…、ん、ん、ん……」 声は、漏れない。 千秋の唇に全てを吐き出すように、逃がしているから。 千秋は、ゆっくりとだが、徐々に深く挿入していく。 のだめの唇からもたらされるくぐもったうめきと熱い息を、充分に理解しながら。 頭を撫で、肩を撫でる。 少しでものだめの痛みがやわらぐように、のだめを労わる自分の心が少しでものだめに届くように、 想いを込めて。 のだめの膣内(なか)は。 とろけるようなやわらかさで千秋に絡みつき、きつく締め付ける。 その感覚といったら。 今まで自分はセックスをしたことがなかったんじゃないだろうかというくらいの快感だった。 のだめの柔らかい肌を抱きしめ、焦れながらも溶かされるような、 激しく突きたい衝動を必死に抑えながら、千秋はゆっくりと挿入していった。 どのくらい挿入(はい)っただろうか。 千秋は、のだめの身体に余計な負担がかからないよう細心の注意を払いながら、 下半身に目を遣った。 やっと、半分くらい。 半分が、のだめの中に埋もれている。 どこか安堵して、千秋はのだめの顔に視線を戻したが。 「…のだめ――――」 のだめの表情は、苦痛そのものといった感じで歪められていた。 ■■34 涙の伝った跡は、一つ二つではない。 長い睫が濡れ、その濃さをしっとりと増していた。 しかしのだめは目を瞑ったまま、 その声から伺いしれる千秋の雰囲気に、泣きじゃくるように嗚咽を漏らし、首を振った。 「ヤ、ヤデス、先輩、やめないで、やめないで…のだめがんばりマスから、だからやめないで……!」 「のだめ」 千秋はそっとその名前を呼んだ。 のだめは嗚咽の合間に、肩を上下させて息をついた。 「のだめ、嬉しいんデス。先輩が好きなんデス。だからお願い、やめちゃわないでくだサイ……!!」 「のだめ」 再び、呼ぶ。 のだめはうっすらと瞳を開けた。 涙で曇るその目尻を、千秋はそっと拭ってやる。 「わ、悪い……オレ、も、もう、やめられない。いいな……?」 のだめが目を閉じて頷くと、唯一身につけているハートのルビーのネックレスも揺れた。 キラキラと、光を反射させながら。 「先輩、大好きデス…」 「…ん、オレも……」 千秋はのだめに口付けた。 |
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もう、上手く考えることができない。
身体の内部から中心をえぐられるような感覚。 熱くて、違和感があって。胸の内が、頭の中が、沸騰したようにおかしくなる。 痛みはあるのに、誰にも見せたことのない部分を大股開きで千秋の前にさらし、 その上千秋がその部分を自分に宛てがっているということが、異様なほど昂ぶらせていて。 「…の、のだめ……」 千秋はその状態のまま身体を倒し、慎重にのだめにのしかかった。 ■■30 「…っぁ、ん!」 二人がつながっている部分が僅かに動き、のだめは闇雲に声が出てしまう。 千秋はのだめに覆い被さると、細い首に腕をまわし、片手でその小さな頭を抱え込んだ。 のだめの髪は汗でしっとりと湿っているのに、相変わらず心地良いシャンプーの香がする。 千秋は再びのだめに入りかけている自身に手を宛てると、またゆっくりと、少しだけ差し込もうとした。 「っつ……!」 途端に、悲鳴のようなのだめの声。 のだめの身体中が強張り、その腿が千秋の腰を締め付ける。 「い、痛いか…?」 小さく、しかし小刻みに激しく首を横に振るのだめ。 千秋は、息を荒げながらも腰を止め、のだめの顔を見下ろした。 のだめは相変わらず強く目を瞑ったままなのに、先ほどとは全く異なった表情で顔を歪めている。 奥歯を噛み締めているのは、唇が白くなるくらい引き結ばれていることからも容易に想像がつく。 潤いは充分すぎるほどなのに、まだ、亀頭すらも入りきっていない。 千秋は快感と罪悪感の両方に苛まれ、のだめの額に唇を落とした。 「悪い……、ゆっくり、する、から、……」 これ以上ないくらいの締め付けと、のだめと一つになれた昂揚感で、千秋は上手く言葉を選べない。 その状態で二人、息を荒げて止まっていた。 暫くすると、のだめがゆっくりと口を開いた。 「だ…イジョブ、みたいデス、よ……少しラクに……」 のだめはハァハァと肩で息をつきながら、か細く変に上ずった声で、囁いた。 千秋はそっとのだめの頭を撫でながら言う。 「…本当か……?」 頷くのだめ。 背中にまわされたのだめの指先には力が込められ、痛いくらいだが。 …のだめの痛みは、こんなもんじゃない筈だ……。 ■■31 「…痛かったら、同じだけ、オレの背中に爪立てろ。いいな?」 |
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■■26
のだめは驚いたように目をぱっちりと開け、自分を抱きしめる千秋の顔を見上げた。 情けなく微笑み返す千秋。 のだめは下半身に感じる圧迫で身体を動かせないが、逆に腕を伸ばして、 千秋の首を抱き寄せ… キス。 初めての、のだめからのキスだった。 「だい、じょうぶデス、先輩。のだめ、がんばれマス」 のだめの膣内(なか)の指への締め付けは相変わらずきつくて、熱に浮かされたように浅い喘ぎを繰り返しながら、寸断なく顔を歪めているのに。 …いとおしい。 心底、愛しいと、思った。1人の人間を、こんなにも大切に思えるものかと。 溢れる想いに、深くため息をつく千秋。のだめを抱き寄せる腕に、自然と力と熱がこもる。 「ダイジョブ、デス。…だから先輩、遠慮なくヤっちゃってくだサイ…」 …ヤっちゃって、ってお前。 千秋は緊張感の中でも思わず吹き出しかけ、くぐもった笑いは、吐息となって零れ落ちる。 この期に及んでのだめらしさを失わない彼女への愛しさと共に。 苦しそうに、けれど悪戯っぽく、幸せそうに微笑むのだめ。 千秋は、抱いているのか抱かれているのか、わからなくなった。 「……ん、サンキュ…………」 千秋は、指の挿入を続ける。 ■■27 ようやく二本目の指がのだめの最奥まで到達すると、のだめは、は、と短く吐息を漏らした。 慎重に。 千秋はのだめの様子をことさら気遣いながら、膣内(なか)をゆっくりとほぐしてやる。 「…ん、あ……」 のだめは再び目を瞑り、声を上げる。 痛みが完全にひいたわけではないのは明らかだが、それでもその声には艶がにじんでいて。 「わかるか、オレの指…今、お前の中に入ってる……」 のだめは頷く。何度も。 「…さ、最初はものすごく痛くて…痛いだけだったけど…ちょっと慣れてきたみたいデスよ……」 のだめは、そっと目を閉じて、自らの中に埋められた千秋の指を全身で感じとる。 「ん、先輩の、ピアノ弾く指が入ってる……」 千秋は頷き返してやると、挿れた時よりも慎重に、二本の指を引き抜く。 先端が抜かれる最後の瞬間に、のだめはひときわ高い嬌声をあげた。 「……ゃあっ、ん!」 紛れもなく、快感に彩られた声だった。 荒く息をつくのだめに口付けると、千秋はそっと身体を離す。 そして、おもむろに自身の衣服を脱ぎ始めた。 |
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