× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
![]() |
喉の奥がくんくんと鳴る。夕霧は、恍惚とした表情で乳房を揉み続けていた。あと少し、指をずらしてくれれば届くのに…!
じらされて堪らなくなった私は、夕霧の手に私の手を重ね、動きを止める。そのまま両脇下から掬い上げるように寄せて持ち上げ、捧げるように前に突き出した。 「お願い…ここも。ここにも、触って。」 夕霧が驚いたように瞠目する。薄暗がりでも、顔が紅潮するのが見てとれた。 そしてすっと切なげに目を細めると、両の乳首を指で挟み、優しくこね回してくれる。 「はあぁぁん!」 待ち望んだ刺激に身体中に震えが走った。 夕霧はたぷんたぷんと乳房を揺らしながら、乳首をやわやわこねる。私は声をあげ、喉をのけぞらせ、夕霧が与えてくれる刺激に夢中になった。 乱れる私を見て、夕霧が乳首を口に含んだ。赤子のように乳房にしがみつき、二つの乳首を交互に舌で愛撫してくれる。 「あぁん、あぁん、あん!あん!」 間断なく訪れる刺激に、じっとしていられない。無意識に身体をくねらせ、どうにか快感を逃そうと身を捩る私の脚に、固くて熱いものが触れた。 手をいっぱいに延ばし、張りつめたものをそっと握る。「うっ…」夕霧が呻いた。 さすると気持ちがいいと以前夕霧が教えてくれたのを思い出し、握ったまま上下にさすってみた。 「はぁっ!」 私への愛撫が止まり、くいっと押し出すように夕霧の腰が動く。 「どう?」 「…いいよ。とても気持ちいい。」 「他には、どうされるのが良いの?私にも教えて。あなたが気持ち良くなる方法を。」 そう言うと、夕霧の瞳に一瞬逡巡の色が浮かぶ。少しの躊躇いの後、言った。 「本当は、お互いもう少しこういう事に慣れてから、と思っていたんだけれど。もし君がよければあの…君の、口で、して欲しい。」 「口で?」 「いきなりごめん!初めから無理だよね。こんな…」 「どうすれば良いの?」 「!!」 「それをすると、気持ち良くなれるのでしょう?私、あなたにとろけそうな感覚を教えてもらったわ。次は、私がする番よ。」 「…苦しかったら、すぐに止めるね?」 「ええ。」 「…では、こちらへ来て。私の前でひざまずいて。」 夕霧は、灯りの前に立つ。身体もすでに、私が以前見知ったものとはだいぶ違っていた。 がっしりした肩。長い腕。厚みが増した堅い胸。引き締まった腹や脚。そして身体の中心にある男性のものも、以前とは比べものにならないほど大きく太く、臍にも届こうかという勢いでそそり立っていた。 私は言われた通り、夕霧の前にひざまずく。 「下から上に、舌を這わせて」「たっぷり唾液を絡めて舐めあげて」「軽く握って、先端をくわえて」「くわえたまま、手で扱いて」「吸って」 夕霧の要求のままに、目の前のものにしゃぶりつく。要求が進むにつれ、夕霧にも余裕がなくなってきた。ぎゅっと眉根を寄せて目をつぶり、荒い息をし、私の頭をかき抱く。 愛する人が乱れる様のいとしさを初めて理解した私の動作は、次第に激しさを増していった。 PR |
![]() |
女房たちの噂どおり、夕霧は随分と背が伸び、肩や胸もがっしりと広く男らしくなっていた。かなり上向かないと、顔が見られない。
懐かしい顔も、整った目鼻だちや優しい表情はそのままに、女の童のような綺麗さだったものが頼りがいのある男性のそれに変貌していた。 立派な直衣姿に、しっとりとした香のかおり。 この素敵な公達が、本当に私の夕霧なの?私は、夢を見ているのではないかしら。 夕霧は大きな身体をかがめて再び私を袖の中に包み込む。 髪をひと掬い手に巻きつけ、顔をうずめてしばらくの間じっと動かなかった。 「今度こそ…今度こそ、消えたりしないね。本物の君だよね。夢ではないよね…」 夕霧が言葉を絞り出す。微かに声が震えていた。…泣いている? 私は夕霧にしがみついた。 「夢ではないわ。本物の私よ。これからはずっと一緒よ。お願い。抱いて、確かめて。私を全て、あなたのものにして…!」 夕霧は、私の髪に顔をうずめたまま、耳元で低く囁く。 「殺し文句が上手だね。…君は知らないだろう。その言葉が、どれほど男を奮い立たせるか。君を滅茶苦茶にしてしまいたくなるほど可愛い事を言っているってことを…」 「構わないわ。私を、思う存分滅茶苦茶にして。あなたでいっぱいにして!」 堰を切ったように想いが溢れ出し、私たちは無我夢中で口づけ、舌を絡め激しく吸いながら、衣を脱がせあった。 色とりどりの衣の海に組み敷かれ、生まれたままの姿で腕を巻きつけ、脚を絡ませてしっかりと抱き合い、体温を交換する。夕霧と私は、二つに別れた物を一つに組み合わせたかのように、隙間なくぴったりと密着した。 ほぅ、と一つ大きく息をつき、夕霧が半身を起こして私の全身を潤んだ瞳で見つめる。 「綺麗…。ついこの前までは、ほんの少女だったあなたが。いつの間にか、こんなに艶やかな淑女になってしまった。」 輪郭を確かめるように、ゆっくり手を這わせる。 「華奢な肩。たわわな乳房。よく熟れた乳首。なめらかな腹。細い腰。しなやかな脚…」 触れられた場所から熱を帯び、じわじわと快感が広がってゆく。最後に夕霧は、私の女性の部分に手を伸ばした。 「…魅惑的な、花びら。」 私のそこは、まだ何もされていないにも関わらず、すでにたっぷりと潤んで夕霧を待ちわびていた。 「すごい。もうこんなに溢れて。でも、もう少し待ってて…」 挨拶をするように二・三度くちゅくちゅとかき混ぜ、夕霧はまず私の乳房を手で掬いあげた。 もっちりとたわわに実った、私の乳房。紅に色付いた小さな乳首が、つんと上を向くように先端に実る。 湯浴みを手助けしてくれる女房によく「素敵なお胸ですわ」と羨ましがられるが、夕霧の目にはどう映るのかしら。 骨ばった大きな手が乳房を包む。むにゅむにゅと揉まれると自在に形を変え、手のひらから溢れ出す。時折かする乳首が切なく痺れ、もっと欲しいとおねだりするかのように、固く、紅く主張しはじめた。 |
![]() |
灯台の、ほのかな灯りの中で、私は宴の気配を全身で聴いていた。
来る、来ない、来る、来ない。 幼い頃、夕霧と興じた花占いを思い出す。あの頃は良かった。何も思い惑う事などなかった。 懐かしく思い返していると、部屋の外で話し声がした。 「一夜の仮宿じゃ、頼りないなぁ」 柏木のお兄様だった。 「馬鹿言わないで。私は疲れた旅人なんだよ。長い旅をして、ようやく帰ってきたんだから。早く部屋に案内してくれないか。」 …来た…! 記憶にあるのより低かったが、聞き間違えようもない。夕霧の声だった。 声は、私の部屋の妻戸の前で止まる。 「ふふふ。知ってるよ。からかって悪かった。さあ、ここだよ。…ごゆっくりどうぞ。」 一人分の足音が遠ざかり、かちり、と妻戸が小さな音を立てる。 咄嗟に私は背中で妻戸を押さえつけてしまった。 「…雲居の雁!?」 「いや!来ないで!」 「なぜ怒っているの?私は…私は、今日の日を夢見て今まで」 「どうしてこんなに時間がかかったのよ!」 「それは、君にふさわしい男になってから…」 「違うわ。私が官位など気にしていないの、知っていたくせに。忍んで来てくれても良かったじゃない。あなたは、あなたの自尊心ばかり大切にして…!私の気持ちなんて、考えもしないで…!」 違う。違う。本当はこんな事、言いたいのではない。 しかし、今までの不安と、来てくれた嬉しさなどが涙と共に一度に溢れ出し、私は支離滅裂なまま夕霧に言葉をぶつけてしまった。 「…ごめん。」 「夕霧…。」 「ごめん。悪かった。待たせた事も、君の気持ちを考えてなかった事も。でも、私の気持ちが変わってないことだけは、信じて。…ここを開けて。」 私は、妻戸から離れた。ゆっくりと扉が開く。 泣き顔を見られたくなくて、私は几帳の陰に隠れようとしたが、夕霧の方が一足早かった。素早く妻戸の隙間から滑り込み、背中を捉えられる。 大きな、暖かい袖の中に、私は後ろからすっぽりと包み込まれた。 「捕まえた…」 胸が詰まって、言葉が出ない。 「長かった。何度も夢に見た。忘れられたらどんなに楽かと思ったけれど、それもできなかった。」 腕を緩め私の正面に立つと、夕霧は私の頬にそっと手をあて、顔を覗き込む。 「顔、よく見せて。…綺麗になったね。あの頃はふっくらしていて、可愛らしかったけれど。少し痩せた?」 「やつれたかもしれないわ。あなたの事で、たくさん気を揉んで、泣いたから…」 気恥ずかしくてまともに夕霧の顔を見られず、怒ったふりをして横を向くと、夕霧はくすくす笑った。 「ふくれると、昔どおりだ。」 「なんですって!」 「…やっとこちらを向いてくれたね。そうそう。あなたは、少しぷんぷんしているくらいがちょうどいい。生き生きとして、魅力的だよ。」 熱っぽく話す夕霧の瞳に捉えられ、もう目がそらせなくなる。 |
![]() |
あれから、幾年かが過ぎた。
夕霧は、相変わらずまめに文をくれたけれど、やはり会うことはかなわなかった。 風の噂に、順調に昇進していることを知った。 病がちだった最愛のおばあさまが、とうとうはかなくなり、私たちは喪に服した。 夕霧の妹姫が、裳着のお式が済んだら東宮様のもとに入内するという話を聞いた。 中将に昇進していた兄の夕霧も、入内の支度で忙しいのだろう。文も、間遠になった。 そんなある日、女房たちの噂で、夕霧が中務の宮様の姫君との縁談を許されたと聞いた。 久しぶりの文は、私がもう心変わりしてしまったのではないかと嘆く内容の御歌だった。 なによ。心変わりしたのは、そっちじゃないの。 ふくれた私は、気持ちをそのまま返歌にして、送りつけてやった。 私も、待ち続けることに、少し疲れてきていた。 あてもなく、待ち続ける日々。 もうとっくに婿取りをしていてもいい年頃の娘が、いつまでも縁付かずにいることで、お父様が困っていらっしゃるのも知っていた。夕霧との噂はみんなが知っていることだったので、宮仕えにも出せず、かといって誰かに縁談を持ちかけることもできず、というわけなのだ。 私付きの女房の中にも、本当に姫様のことを想っていらっしゃるのなら、夜、忍んでいらしてもよさそうなものなのに、と、あからさまに言うものもいた。 私も、そう思っていた。 物語や草紙のように、私を盗みに来てくれてもいいのに。 『君にふさわしい男になったら迎えに行く』別れ際にそう言った夕霧だったが、すでに中将ならば、家格につり合わないことはないはずだ。 それなのに来てくれないのは、やはり心変わりしてしまったのか。それとも、意地になっているのか。 春も、もう終わりに近いある日。 我が家で、藤の宴が催されることになり、私の一番上の兄で夕霧の幼馴染でもある柏木のお兄様が、いつになくおしゃれをして出かけていった。 我が家からの正式な御使者として、夕霧を迎えに行ったという。 お父様が催す公の宴に、夕霧が賓客として招かれることは、今までになかった。 これは、どういう意味なのだろう。乳母や女房たちは、色めきだった。 「姫様。お支度を致しましょう。」 「なぜ?夕霧は、お父様のお客様よ。私の所にいらっしゃるわけではないわ。」 「もしも、ということがあるかもしれませんわ。」 「無いかもしれないわ。」 「んもう、姫様。もしも何かあってからでは、遅うございますのよ。」 もしも夕霧が来なかったら。傷つくのは私なのに。期待した分だけ失望も大きくなる。 気が進まないながらも、女房たちに急かされて、私は支度をした。 湯浴みをして、髪を洗う。 髪にも衣にも、とっておきの香をたきしめ、部屋を清らかに掃除し、鏡を磨き上げる。 ふと庭を見ると、宴もたけなわのようで、賑やかな熱気がここまで漂ってきた。 宴に侍っていたのであろう。若い女房たちが、部屋の外で噂話をしている。 「やっぱり夕霧様が、一番素敵ね!」 「あら、私は少将様が一番だと思うわ。」 「そうかしら。夕霧の中将様は、光る君といわれた大臣のお若い頃にそっくりなんですって。前にお見かけした時よりお背も高く逞しくなられてて、もう、私、お酒をお注ぎするときに倒れてしまうかと思ったわ!」 「いやぁね、そんなこと言って。あなたの背の君に言いつけちゃうわよ。」 「だめだめ!夕霧様は、ただの憧れですもの。あの人には黙っていて!」 そう。夕霧は、そんなに素敵になっていたのね。 最後に会った日の夕霧の面影がちらつき、噂話からの想像だけでも恋しさが募る。 女房たちは、支度を済ませると部屋に下がっていった。 …来てくれなかったら、どうしよう。 |
![]() |
夕霧の元服のお式は、ここ、三条のお邸ですることになった。
おばあさまがお式を御覧になりたいだろうから、という源氏の大臣のご配慮だそうだ。 お式の日、私は遠くから様子を伺っていた。夕霧が賜った位は六位だった。集まった方々はみな驚いていた。私も驚いた。大臣の子息は、たいていもっと上の位を賜るのが普通だからだ。私の兄たちも、夕霧よりは上の位で元服した。 式の合間に会いに来てくれた夕霧はあからさまにがっかりしていた。 「六位だなんて。これじゃ恥ずかしくて、君のこと伯父様にお願いできないよ」 聞くと、お父様の勧めで夕霧は大学寮で学ぶことになったのだという。その為には位など無い方がいいだろうし、数年はぱっとしなくても、学問をして、じっくり実力をつけてから御仕えに出るほうが良いというお父様のご判断なのだそうだ。 私は位など気にしていなかったし、添い伏しの姫の話が出なかったことにむしろほっとしていた。 夕霧は、学問が忙しいのか、滅多にお邸に来られなくなった。たまに来ても、元服した公達と同席はたしなみがありませんと、私は几帳の奥に押しやられてしまう。文だけはよくやり取りしたが、直接言葉を交わすことは、もはやできなかった。 ある日、お父様がおばあさまのご機嫌伺いにお見えになった。来られた時はご機嫌だったお父様が、なぜかお怒りの様子でお帰りになった。 その後、私はおばあさまのお部屋に呼ばれた。 「あなたと夕霧は、もう契りを交わしてしまったの?」 …知られていた。秘密だと思っていたのは、私たち二人だけだった。身体中の血の気が引いていく。手が震え、私はおばあさまにお返事することができなかった。 最後まで交わしたわけではないと言っても、きっと信じてはもらえないだろう。だいたい、お互い全裸で相手を探り合うところまではしてしまったのだ。最後までしたかどうかは、問題ではなかった。 何も言えず、涙をこぼす私に、おばあさまはやさしく言った。 「お父様がね、あなたを東宮様に差し上げるつもりだと仰っていたのだけれど、女房たちの噂話から、あなたと夕霧のことをお知りになってね。たいそうお怒りなのですよ。もう、ここには置いておけないと仰って。日を選んで、お迎えに来るそうです。私も、夕霧以上に素晴らしい婿君はおりませんと、お父様には申し上げたのだけれど、聞いてもらえなくて。ごめんなさいね。でもね、あなたももっと早くおばあちゃまに相談してくれればね…」 こうして私は、お父様のお邸に引き取られることになった。 夕霧が次に来たのは、私がお父様のお邸に移る日だった。 おばあさまから、理由を聞いたのだろう。部屋に入るなり、きつく抱きしめられた。 「行かないで…!内大臣様のお邸に移ったら、本当に会えなくなってしまう!」 そう言ってくれるのは嬉しかったが、私ももうお父様を困らせたくなかった。 「ごめんなさい。これ以上お父様に嫌われるのも、私、いやなの。あなたを待ってる。いつまでも待っているから、早くお迎えに来て…」 夕霧は何も言わなかった。無言で、腕に更に力をこめる。 「姫様。お迎えの御車が参りましたよ。」 部屋の外で、乳母の声がする。 「行かなくちゃ…」 「もう少し。もう、少しだけ…」 「乳母が来るわ。」 「構うもんか。」 「…姫様?」 乳母が部屋に入ってきた。几帳の陰で抱き合う私たちを見て、軽蔑したように言う。 「まあ。いくら大臣のご子息とはいえ、六位の浅葱ふぜいではね。こちらのお邸につり合いませんわ。」 理由があるとはいえ、位が低いことは夕霧の自尊心を深く傷つけていた。 乳母に侮辱され、身体を硬くしたが、夕霧は一言も言い返さなかった。 腕を解き、私の肩に手を掛け、乳母のほうに押し出しながら、かすれた声で囁く。 「君にふさわしい男になったら、迎えに来るから。」 |
![]() |
やがてお互いの部分がすっかり潤うと、夕霧は自身のものに手を添え、先端を私の襞の奥に当てた。そのまま腰を進めるが、中には入らずぷるんと跳ね上がってしまう。
何度か繰り返すが、上手く挿入できない。 その間にも互いにこすられ、刺激が加わり続けて夕霧の表情はますます切なくもどかしげになっていった。 私の襞の間に挟むようにして、数度往復させた時だった。 「うわっ、はっ、うぅっ…んっ!」 夕霧が苦しげに呻き、自身を握って私から慌てて身体を離す。呻き声と共に白いものがほとばしり出て、私の腹の上にふりかかった。 二度、三度と暖かい飛沫が私の腹を濡らす。あまりに苦しそうな表情に、私は心配になった。 「どうしたの?苦しいの?誰か、人を呼んで手当てを…」 「違う。はあっ。違う、から…」 はあはあと息は荒いが、もう表情は苦しげではなくなっていた。 「ああ、ごめんね。君を汚してしまった。」 そばにあった懐紙を取り、白い液体を拭ってくれる。 「これはね、ぼくの、精。気持ちよくて上り詰めると、出てしまうんだ。」 「では、夕霧も気持ちよくなれたの?」 「良かったよ。とても。精を放ったのは初めてではないけれど、こんなに気持ち良かったのは、初めてだ。本当は…」 私の襞に触れる。 「ここで、君の中でいきたかったんだけれど、ぼくも初めてで、上手くできなくて。ごめん。」 私は夕霧の首に両手を回し、きゅっと抱きしめてから唇を重ねた。 初めての、私からの口づけ。 「謝ることではないわ。そのうち、上手くいくわよ。」 「…男としては、恥ずべきことなんだよ。」 「誰でも初めから上手くできるとは限らないもの。私は今日ので充分。気を失うかと思うほど、良かった…」 つい先程までの乱れぶりを思い出し、頬がかぁっと熱くなる。 真っ赤になって口をぱくぱくさせる私を見て、夕霧はたまらない様子で吹き出した。 「可愛かったよ。とても。」 あれのどこが可愛いの。私はぶんぶん首を横に振る。 「可愛かった。ぼくのした事に素直に感じて、乱れてくれるなんて最高。もっともっと、して上げたかったもの。」 そしてこつんと、額を合わせて囁いた。 「次までには、もっと研究、しておくから。」 「!!」 生真面目で努力家の夕霧は、こんな事でも本当にこつこつ研究しそうだった。 更に乱されたら…私、どうなってしまうのかしら。 「さ、衣を着よう。そろそろ皆、ぼくらがいないと気づいているかも。」 急いでお互いに着せかけ合い、衣を整える。髪もなでつけるが、どうしても乱れは隠せない。 「何か聞かれたら、隠れ鬼をしていた、ということにしよう。今日の事は、二人だけの秘密。」 |
![]() |
再び胸の先端がつんつんに尖り、下の丘がぬめりでとろとろに潤んだ頃。
夕霧は身体を起こし、私の足元に移動する。横たわる私の両膝を立てさせてから、膝の裏に手をかけ、左右に大きく割り開いた。 「いや…」 私でさえ、よく見たことのない、女の部分。 萌えはじめた恥毛の奥を更にかき分けられ、指で丹念に辿られる。 くちゅり、くちゅりと音がする。ぞくぞくした刺激が駆け上ってくる。襞を探られ、蜜を掬い取り、こりっとした粒のようなものに蜜を塗りつけられた時、鋭い快感が身体中を突き抜けた。 「ふあぁぁん!」 私の反応を確かめるように、夕霧が顔を見つめている。夕霧の顔も紅い。身体中開かれて、喘がされているのは私なのに、夕霧の呼吸も浅く、速い。 …興奮している?私を見て? 私の反応で確信を得た夕霧は、脚の間にかがみこんで、粒を唇で包み込んだ。 「ああ、あぁぁ…っ」 今までとは比べものにならない快感だった。 唇で包み込んだまま、舌先で舐めまわされ、ちゅぱちゅぱと吸われる。指は、私の蜜があふれ出る場所をかき回し、自分でもそんな所があったと知らずにいた入口をほぐす。 私はもう、為されるがまま、夕霧に全てを預けて声をあげ続けた。身体が痺れる。頭の芯がぼうっとかすむ。恥ずかしさと、これからどうなってしまうのか解らない怖さはあるが、それを上回る快感が私を支配し、何も考えられなくさせてゆく。 夕霧が、いっぱいに手を伸ばし、胸の果実をつまむ。と同時に、粒を舌先で転がした。 「あっあっあっ、あぁん、きゃあぁ…ん!」 何かが身体の芯をすごい勢いで駆け上ったかと思った瞬間、ぎゅっと全身が強張ってがくがくと痙攣が走り、頭の中が真っ白に弾けて飛んだ。 「しいっ!」 大きな声を出してしまった私の口を、夕霧が慌てて唇で塞ぐ。 「誰か来たらどうするの。」 悲鳴をあげて果てた私は、今はその余韻と虚脱感に襲われ、返事をすることもできない。 「気持ち良かったの?」 「…ん。」 「大丈夫?」 「…ん。」 「あのね。雲居の雁、すごく、いやらしかった。」 「!!」 「いやらしくて、色っぽくて…ぼく興奮した。」 褒められている? 嬉しさと恥ずかしさでぞくぞくする。 「もう、我慢できない。ぼくのことも…気持ちよく、してくれる?」 私の返事を待たずに、夕霧は再び私の脚の間に入り込み、両脚を大きく開かせ、蜜でぐっしょりしている所に夕霧の男性の部分を擦り付けた。 指とはまた違った感触が、私の女性の部分を刺激する。太くて、固くて、熱いものがうごめき、覚えたばかりの官能がまた私を襲う。 夕霧は、ぎゅっと切なげに眉を寄せ、夢中になって腰を擦り付け続けた。 |
![]() |
「…ごめん。わかった。ではぼくのも見てくれる?」
夕霧は私の半身を起こし、自分は立ち上がると衣を脱ぎはじめた。 水干、袴、単衣と、順に足元に滑り落ちてゆく。 最後の一枚を脱ぐと、見たことも無いものが夕霧の中心にそそり立っていた。 「きゃあ!」 正視できずに、両手で顔を覆う。あれはなぁに?幼い頃に見たことのある夕霧のものは、あんなのではなかった。 「驚かないで。大丈夫だから。手を離して、ぼくを見て。」 恐る恐る手を離し、目を開ける。 すらりとした夕霧の肢体。弓や乗馬で鍛えているせいか、少し骨ばった筋肉質な身体に男性らしさを感じる。いつの間に、こんなに大人っぽくなってしまったのだろう…。 しかし肩や胸にまだ厚みはなく、すんなりと白くほっそりした身体と、中心にある赤黒く雄々しいものが不釣り合いに見えて、視線のやり場に困ってしまう。 一通り見たものの、下を向いてもじもじしている私の手を取り、夕霧の中心に導かれる。 「これが、ぼくが男である証拠。…軽く握って。」 言われた通り指を絡ませ軽く握ると、んっ、と夕霧が眉根に皺を寄せた。 「ごめんなさい!痛かった?」 「…っ、違うよ。あまりに気持ち良かったものだから…」 夕霧は私の手の上から、自分の手を添え、上下にゆっくりさするようにと促した。 「こうすると、もっと気持ちがいい。こんなに固くなるのは、雲居の雁が欲しくてたまらないから。この、固くなったここをね…」 手を離させてしゃがみ、再び私の女の部分の中心に指を這わせる。 「君の、ここに入れるんだ。ぼくのが固くなっていないと入らないし、君のがとろけていないと難しい。だから、お互い気持ち良い所を触りあって準備をして、それから一つになるんだって…。」 もう一度私を押し倒し、夕霧は、耳元で囁く。 「ぼくは、君と一つになりたい。君の全てが見たい。知りたい。とろけるように気持ち良いことが、したい。大好きだから…」 頬がかぁっと熱くなる。 夕霧の背中に両手を回し、私も囁いた。 「…私も。恥ずかしいけれど、見て。触って。さっきは、驚いたけれどとっても気持ち良かったの。私だけじゃ、いや。一緒に、気持ち良くなりましょう。それから一つになるの。約束、だから…」 夕霧はにっこり微笑むと、私に掛けた単衣をはぎ、身体を密着させて抱きしめる。 素肌の熱さが、心地よい。 そして再び、私のふくらみを口に含み、女性の部分に手を這わせた。 脚を絡め、夕霧は私に腰を押し付ける。固くなった夕霧の男性の部分が、私のももに当たる。夕霧は私に声をあげさせながらも、擦り付けるように腰を動かし始めた。 |
![]() |
夕霧は胸の果実から口と手を離さない。私が漏らす声に合わせるように吸い、舌先で転がし、甘噛みし、舌でしごき、夢中でねぶり続ける。
つぅんとした刺激は、今やじんじんとした快感に変わり私の身体中を支配し、下腹の奥の辺りに鈍い疼きが溜まっていった。 どうにも堪らないその疼きを逃そうと、膝をすり合わせ、腰をくねらせる。 それを見た夕霧が、口はそのままに、手を下肢へとすべらせていった。 腹から下腹を通り、ふとももへ。尻のまるみを確認すると、内股をなで上げる。少しこそばゆい。 舌は胸をねぶりながら、何度も何度も下肢を往復し、最後に下の丘全体を、手のひらでふわりと包み込んだ。 さわさわと薄い恥毛を撫で、手のひら全体で上下に往復させる。 途端に手の滑りがよくなり、ちゅぷちゅぷと水溜まりのような音がした。 「…!?」 「わっ、すご…い」 濡れている? どうしよう、私、粗相を…!? 恥ずかしさも限界に達し、涙があふれてとまらなくなった。 「いや。いや。もうやめて。お願い。ごめんなさい。」 泣きじゃくる私に、夕霧が慌てる。 「恥ずかしい。見ないで。私、もう消えてしまいたい!」 「どうしたの急に…」 「だって、濡れてる…。私、私、あの、粗相を…」 これ以上出ない勇気を振り絞って言ったのに、夕霧はふふと笑った。 「違うよ。」 「嘘!嘘ついて慰めないで!」 「だから違うんだよ。これはね、女の子…女の人が気持ち良い証拠のようなものだから。」 「なぜそんな事、知っているの?」 「それはまぁ、その…」 夕霧は、行為を中断し、単衣を掛けてくれた。腕枕をして、胸にぎゅっと抱きしめてくれる。 「ぼく、元服はまだだけど、童殿上してるだろう。さすがに皆、主上の前では口を慎んでいるけれど、殿上の間に控えていたりすると、いろいろ…その…色っぽい話を聞くんだよ。」 「近くに童がいてもそんな話を?」 「最初は気にしていたようだったけど。こちらが慣れたらむしろ『元服しても姫と閨でどうするか知らないようじゃ恥かくぞ』とか『姫を悦ばせるにはな…』などと言って、元服が近い童や、恋愛経験の浅い若い公達を集めて指南する方までいるくらいさ。」 「夕霧!」 「そんな話も聞き流せないようじゃ、殿上人は勤まらないよ。それに、聞いておいて良かったでしょう?…ほら」 単衣の下で、夕霧の手がまた動きだす。私の弱い部分を攻め、一度は落ち着いた身体の火照りをまた呼び覚ます。 「やめて。恥ずかしい…」 「だからさっきのは粗相じゃないって。」 「違うの。その事ではなくて…私ばかり脱がされて、たくさん見られるのが恥ずかしいの。」 行為をやめて欲しいとは、もう思わなくなっていた。 |
![]() |
夕霧は、私の背に手を回し、ぎゅっと抱きとめ、膝をつく。そしてまた、口づけを落とす。額に。まぶたに。頬に。唇に。それから首すじに。
私をしとねに横たえ、覆い被さると身体をゆっくりと撫で回す。腰紐の辺りで手が止まる。 もう一度私の頬にちゅっと口づけると、腰紐がするりと解かれた。 身体にまとわりついた衣が、ふっと頼りなげに緩やかになる。 衣の上から私の身体を撫で回していた夕霧の手が襟元から滑り込み、素肌を確かめるようにじっくりとなで下ろしてゆく。 夕霧の息づかいが、すぐ耳元で聞こえる。切なげな、少し速い呼吸。左手で私の肩を抱き、右手は衣をはだけながら、素肌を確かめるように私の身体をまさぐっていった。 首すじから、鎖骨を通って肩へ。腕をなで下ろし、そして胸のふくらみへと辿りつく。 「はぁっ…」 2人の声が、重なった。 「すごい…。ふわふわだ。柔らかい。」 夕霧が身を起こす。 「すべすべしてる。とても綺麗…」 両の手で私の微かなふくらみを捉え、大きく円を描くようにすくい上げたり撫で回したりしながら、夕霧は私の身体から視線を外さない。 恥ずかしさに耐えきれなくなり「いやぁ、やめて」と手で顔を覆って身を捩るが、夕霧の手の動きは止まらない。 なおも両手で双丘をさすり、やわやわと揉み、指が先端に触れた時、つぅんと痺れるような刺激が私の身体を駆け抜けた。 「あぁん!」 思わず声をあげてしまう。 鼻にかかった、甘くて高い、猫のような声。 まるで自分の声ではないような声が、意志とは関係なく、先端をいじられるたびに出てしまう。 「あっ、あっ、やぁん、あん」 恥ずかしいのに。 止めたいのに。 我慢できずに、声が漏れる。 そのたびに、夕霧の指の動きも激しさを増してゆく。 胸の先端がひりつくような感覚に、指の隙間からそっと覗いてみると、私のふくらみは今までになくふっくらと張りつめ、先端はまるで果実のように紅く色づき、固く尖っていた。 「…おっぱいって、こんなになるんだ。雁の君、ここがいいんだね。」 言いながら、先端をもてあそぶ。 いや。いやらしい。そんな事言わないで。見ないで。もうやめて。 言いたいことはたくさんあるのに、言葉にならない。 繰り返される刺激に、声をあげることしかできない。 もうだめ。お願い。 目で訴えた、その時。私の視線を捉えたままで、夕霧が先端を口に含んだ。 「ああぁぁ…ん!」 今までとは全く違った、暖かくて甘い、強い刺激に身体が震える。 ふくらみをぎゅっと寄せられ、先端を交互に口に含まれ、恥ずかしさと気持ちよさに掻き回されながらも私はされるがままに溺れていった。 |
![]() |